2018年04月16日

とある下町食堂は、なぜ大盛り定食を430円で提供するのか?


大阪・京橋に、知る人ぞ知る食堂がある。
とにかく安くて、ボリュームがあることで有名。

“不思議な”という形容がピッタリくるほど、
安く提供されている。

ある日の日替わり定食を紹介すると…。

「エビフライ・チキンカツ・ビーフコロッケ・
 玉子フライ・サラダ・ご飯・味噌汁」。

これで、430円。

ひとつひとつがミニサイズというわけではなく、
ごく普通のサイズである。

別の日の日替わりは、
「まぐろ+はまち+あじの造り・チキンカツ・
 サラダ・ご飯・味噌汁」。

これも430円。

あり得ない。
どんな食材を使っているのかを疑ってしまうほど安い。

他にも、「うどん・そば 120円」
「カレーライス 230円」「カツ丼・天丼 330円」
「エビフライ定食 380円」「トンカツ定食 380円」
……など。

なぜ、ここまで安くできるのか。
というより、なぜ安くしているのか。

その答えは、この店の経営理念にある。

というほど、難しいことではない。

創業した先代の想いを守り続けているだけなのである。

戦争を経験し、苦労した先代が、
「物のない時代だからこそ、
 みんなにお腹いっぱい食べさせて、
 喜んでもらいたい」と、この店を始めたのである。

みんなが大変な時だから、
少しでも役に立ちたいと願ったのである。

「人を喜ばせる」という商売人の原点を実践した人。
その想いをいまも受け継いでいるのである。

有名になったことで、
わざわざ遠くからやって来る人も多い。

だが、その評価は低い。
「美味しくない」「それなり」。

確かに、安くてボリュームのある料理を作ろうとすると、
食材のレベルは多少落ちるかもしれない。

安い食材を選んで仕入れなければ、
安く提供することはできない。

この店は、そこを割り切っている。
客も納得の上で利用している。

失礼ながら、この地域は超下町と言っても良い。
“リッチな食事”を望めない人は多い。

だが、美味しいものは食べたい。
なので、この店が流行るのである。

これは私の考えだが、
「ボリュームは美味しさ」だと思っている。

味そのものはそれなりだとしても、
ボリュームがあって、腹いっぱいになれば、
「美味しかった!」と思えるのである。

不況が続く中では、こんな店が必要なのである。
救世主となる。

こうした考えに共感した人が、暖簾分けをしてもらい、
いまや数店舗の支店ができている。

利益を考えず、人助けのためにやっている食堂。

もっともっと増えて欲しいと思う。






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posted by 佐藤きよあき at 10:55| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月14日

なぜ、キッコーマンは“変な豆乳”を出し続けるのか?


日本中に蔓延する健康志向。

それはもはやブームではなく、
日常生活の常識となりつつある。

言い換えれば、身体に良いものを求めるが故に、
次々に流れてくる情報に翻弄されている。

悪いことではないが、
企業に踊らされていることに気づくべきである。

新聞・テレビ・ネットには、
毎日毎日広告が流されている。

身体的な不安につけ込み、煽り商法を展開している。

悩んでいる人は、つい乗ってしまう。
騙されてしまう。

藁をも掴む気持ちで、申し込んでしまう。

「病いは気から」というように、
それを利用することで治ってしまう人もいるので、
完全否定することはできない。

健康関連の商品が売れることで、
日本経済に貢献している面もある。

物欲の薄れたいま、
人びとは「食」や「健康」にお金を遣う傾向にある。

そうした分野では、競争も激しくなっている。

ライバルに打ち勝つには、注目度を高める必要がある。

そのためには、次々に新商品を出したり、
話題づくりに力を入れなければならない。

ここに、興味深い事例がある。

キッコーマンが「豆乳」を販売しているのだが、
一風変わった豆乳が次々に登場している。

「いちごラッシー」「チョコミント」「マロン」
「焼きいも」「バニラアイス」「巨峰」「甘酒」
「おしるこ」「みたらし団子」……。

フルーツ味を出すのは、
これまでの常識として理解できるが、
「焼きいも」や「みたらし団子」には驚いてしまう。

他の豆乳メーカーでは、
ほとんど見掛けない商品ばかりである。

なぜキッコーマンは、
こうした“変な豆乳”を出し続けているのか。

オーソドックスな豆乳だけでは、競争に勝てないのか。

その答えは、消費者の志向に関係している。

健康志向で、豆乳は売り上げを伸ばしている。

牛乳をあまり飲まない子どもに、
豆乳を与える親も増えている。

こうした流れの中、スーパーでは品揃えを増やすために、
地方の無名メーカーの商品まで
仕入れるようになっている。

つまり、キッコーマンにとっては、
全国的なシェアを持っていても、
気の抜けない状況にあるということだ。

そこで、消費者の興味を引き、
常に目立った存在であることが重要となる。

いま、食に関しては、
ネットで情報が拡散されるかどうかに、
成功のカギがある。

商品が売れるようになるには、
消費者が注目し、手を出し、
SNSに掲載してくれる“話題性”が必要なのである。

消費者は常に新しい情報を求めて、巷を徘徊している。
新しいものを見つけると、すぐに飛びつく。

キッコーマンはここに着目。

ライバルの多い豆乳の分野において、
次々に新商品を出し続けることで、
日常的に注目されるように仕掛けているのである。

こうした戦略を取る商品は、美味しいかどうかよりも、
面白いかどうかの方が重要となる。

次々に出てきては消えるので、
「何だ、これは?」で笑いが起これば、
それで成功なのである。

たとえマズくても、それさえ話題になるのが、
ネット世界の面白いところ。

とにかく話題性第一なのである。

他の分野の商品でも、このような戦略は増えている。

消費者がそれを求めているので、批判はできない。

面白いから、買ってしまう。
これもマーケティング戦略のひとつである。






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posted by 佐藤きよあき at 14:56| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月06日

食べ物を“串刺し”にすると、市場が広がる!!


年々、急激に増加する訪日外国人。

日本の伝統やクール・ジャパンを体験し、
興奮と笑顔で帰国する。

特に目立つのは、日本の食文化への興味である。

「寿司・天ぷら・すき焼き」と言っていた時代を経て、
ありとあらゆる食を体験しようとする。

カニ、フグ、ステーキ、お好み焼き、たこ焼き、
たい焼き、立ち食いそば・うどんにまで、手を出す。

そして、それらをグッドテイスト、デリーシャスと誉め、
アメイジングとまで言い切り、感動している。

それほど、日本の食には魅力があるようだ。

いまや大都市圏や観光地にある店はもちろん、
日本人でさえ知らない地方の店にまで、
外国人が行列している。

その行列が注目され、
改めて日本人がその店を知ることもある。

不思議な現象だが、実に面白い。

こうした食べ歩きをする外国人は、
日本中で見掛けるようになった。

たとえば、京都の錦市場。

市場内に飲食店は少ないが、
店先で何かを食べる外国人は多い。

揚げ物の店では、「豚串」や「チョコレートコロッケ」。

天ぷらの店では、イカ・エビ・タコが入った
練り物やジャガバターの天ぷら。
これは串に刺されている。

川魚の店では、イワナや鮎の塩焼き。これも串。

鮮魚店では、生マグロの漬けや
タコのマリネが串で売られている。

玉子焼きの店では、出汁巻き玉子の串刺しがある。

それぞれの店が、その場で食べられるように、
串刺しや1個売りをしている。

昔の錦市場は買い物をするだけの場所だったが、
観光客を呼び込むために、
“ファストフード感覚”での販売を始めた。

これが、見事に的中。

日本人だけではなく、
外国人まで数多く訪れるようになった。

食文化に興味を持った外国人が、
飲食店に入って、しっかりと食べていては、
多様なものに手を出すことはできない。

屋台のように、手軽に少しずつ食べることができれば、
たくさんの店を、食を体験できる。

これは、外国人にとっても嬉しいことだろう。

錦市場は、そうした視点を持って、
食べ物を“串刺し”にしていったのである。

この方法は、全国でも少しずつ広まりつつある。

ソースカツ丼を棒状に進化させた、
福井の「サバエドッグ」。

パンケーキを串に刺した、「串パンケーキ」。

ぬれおかきを串に刺した、「串ぬれおかき」。

ハムカツスティックやスティックピザなどもある。

食べ歩きのできるものは、気軽に購入でき、楽しい。

日本中のご当地グルメが、
串刺しなどの食べやすい形状になれば、
それを目的に足を運ぶ人が増えるだろう。

新たな食文化として、定着するのではないか。






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posted by 佐藤きよあき at 14:33| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月16日

シニア向けビジネスのヒントは、「病院の待合室」にアリ!!


混雑する病院の待合室で長時間待たされるのは、
退屈であり、非常に苦痛でもある。

特に、内科・循環器科・整形外科などは高齢者が多く、
“世間話”が大音量で聞こえてくる。

高齢者にとっては、病気で来ているにも関わらず、
“楽しい会合”の場となっている。

そこで話されるのは、まずは病気の話。

辛い病状や医師への不満、薬に関する困りごと、
通院の苦労など。

そこから話は広がって、
近所の人たちの話や不便をしている買い物の話、
行ったお店の感想、老人会での旅行の話。

次から次へと、思いつくままに話は進んでいく。

高齢者の話には、特徴がある。

物事や人に対する不満が多い。

平たく言うと、文句ばかりなのだが、
聞き耳を立てていると、高齢者の生態が見えてくる。

どんなことに困っているか。
何に悩んでいるか。

これが、実に興味深い。

若い人には理解できない内容や頷いてしまうものもある。

知らなかった世界が、見えてくる。

これは、
かなり有意義な時間であることを実感するだろう。

高齢者の困りごと・悩みごとが
手に取るようにわかるので、
シニア向けビジネスを考える際には、
大きなヒントとなる。

待合室に1時間もいれば、
いくつものビジネスモデルが浮かぶのではないか。

これほどマーケットリサーチに適した場所は、
他にはないだろう。

一度、潜り込んでみることをお奨めする。

ここから生まれたビジネスモデルは、
きっと高齢者に喜ばれる。

社会貢献できるビジネスである。

これは余談だが、笑い話のネタも拾えることがある。

患者同士の会話。

高齢男性A「元気か?」

高齢男性B「元気やったら、ここにはおらん!」

なるほど!

なお、潜入する時にはマスクを忘れずに。






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posted by 佐藤きよあき at 15:18| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月20日

“だしパック”が土産物になる!? ご当地ものの可能性。


関西のある会社が、
観光土産として、京阪神の三都をイメージした
『ご当地だし』を販売している。

大阪「なにわのだしパック」。
京都「はんなりだしパック」。
神戸「ベジ野菜だしパック」。

料理のだしは、その土地によって違うので、
地方の食文化を知ることができる。

多少なりとも料理をする人なら、
興味を持つに違いない。

土産物としてのインパクトには欠けるが、
非常にユニークな発想である。

食に強い関心を持つ人が増えているので、
面白がってくれるだろう。

最近は、ネットに流れるお店情報を頼りに、
遠くまで出掛ける人も多い。

観光を主たる目的とせず、
美味しいものを食べるためだけに、
わざわざ足を運ぶのである。

行列を苦にすることもない。

それほど、食への執着が強まっていると言える。

よって、“だしパック”の売れる可能性は高いと
読み取ることができる。

また、ご当地B級グルメなどが注目されたこともあり、
知らない食文化への興味も高まっている。

そこに、地方企業のビジネスチャンスがある。

地元でしか認知されていない、
地元でのみ消費されているものを全国に拡販する、
大きなチャンスである。

地元の人たちによって、日常的に使われているものを
土産物として販売するのである。

地方には、地元のみで消費されるものを作っている、
小さなメーカーも多い。

決して全国には知られていない企業である。

こうした、「地元の人だけが知っているもの」に、
いま日本中の人が興味を示す。

情報さえ広く流れれば、人びとは自ら探して来てくれる。

“ご当地もの”の魅力に惹かれるのである。

ビジネスを考えるなら、
地元でしか手に入らないものを探してみれば良い。

地元の味噌蔵やしょうゆ蔵、ソースの醸造元、
缶詰工場、パン屋なども面白い。

これまで土産物として考えられることもなかったものを
新しい土産物としてアピールしてみるのである。

ありきたりな土産に、人びとは飽きている。
ちょっと変わったもの、珍しいものを求めている。

地元の人が、
その良さに気づいていないものを見つけることだ。

日本中には、まだまだたくさん眠っている。






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posted by 佐藤きよあき at 14:29| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする