2012年05月12日

“おひとりさま”が快適になると、経済は破綻する。


高齢者のひとり暮らしが増えているのは周知のことだが、
結婚適齢期を大きく過ぎた人の
“おひとりさま”も増加している。

いわゆる、結婚せずに中年になってしまった男女のこと。

厳しい社会情勢で収入に不安があるため、
結婚に踏み切れない男性。

自立して食べていくことができるため、
男性に寄り掛からなくて済み、婚期を逃した女性。

ひとりで気ままにいることに慣れ、
交際さえも面倒だと思うようになってしまった男性。

理想が高過ぎて、妥協できなかったために、
気づいた時には誰にも相手にされなくなっていた女性。

さまざまな理由で、
淋しい“おひとりさま”になっている人がたくさんいる。

ところが……。

これまでなら、
現状を抜け出して早く結婚したい、と願うのであるが、
こうした“おひとりさま”を狙ったビジネスが
広がることにより、結婚願望が薄れてきているのである。

“おひとりさま”専用テーブルを作った、
イタめし屋や焼肉屋。

単身者向けの家事代行サービス。

ひとりでも参加できるパック旅行。

淋しい時の話し相手になってくれる電話サービス。

日常の洗濯をまとめて請け負うクリーニング店。

ひとりでいることが「快適」になる
サービスが増えているのである。

「自由で気まま」だった“おひとりさま”生活に、
「快適」が加わることで、
結婚に魅力を感じなくなってきている。

この自由・気まま・快適なライフスタイルを捨てて、
制約も多い結婚生活を選ぶ価値があるのかどうか、
疑問を持ち始めている。

結婚する人が少なくなると、
当然少子化問題も深刻化する。

経済を支える人そのものが少なくなるのだから。

消費も減り、税収も減る。

それだけではない。

結婚そのものに関連する商品・サービスも売れなくなる。

男女が結婚し、新居を構え、子どもが生まれ、成長する。

その過程で、ありとあらゆる消費行動が起き、
経済はまわっていくのである。

結婚する人が少なくなれば、
このサイクルが途絶えてしまう。

平たく言えば、
モノが売れなくなり、お金がまわらなくなる。

“おひとりさま”が生涯に遣うお金など、
たかが知れている。

すなわち、
快適な“おひとりさま”を増やすことは、
経済全体にとってはマイナスでしかない、
ということである。

“おひとりさま”には申し訳ないが、
淋しく不便な生活をしてもらう方が、
「結婚したい」と思うようになり、
経済のためには大きなプラスとなる。





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posted by 佐藤きよあき at 16:19| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月14日

漫画・アニメは、経済の救世主となるのか?


埼玉県久喜市にある「鷲宮神社」は、
知る人ぞ知る“聖地”である。

漫画・アニメファンの聖地。ヲタクの聖地。

漫画「らき☆すた」の舞台となったことで、
一躍脚光を浴び、多くの「らき☆すた」ファンが
訪れるようになった。

神社としても、これ幸いと積極的にアピールするように。

それ以上に熱を上げてしまったのが、地元商工会。

イベントを企画したり、
関連グッズの販売まで手掛けるようになり、
町は「らき☆すた」一色となった。


こうした取り組みを『聖地巡礼型まちづくり』と呼ぶ。
いまや、全国に広がっている。

「らき☆すた」以前では、鳥取県境港市が
「ゲゲゲの鬼太郎」をテーマにした町おこしをしている。

作者・水木しげるの出身地であることから、
水木ロードと名づけた通りには、妖怪像が立てられたり、
ゲゲゲをテーマにしたお店がたくさんできている。

NHK朝ドラの「ゲゲゲの女房」後は、再ブレイクし、
さらなる集客に大きく貢献した。


このように、
漫画・アニメの舞台や作者の出身地などでは、
それを活用した町おこしに積極的である。

しかし、問題もある。

これまで見向きもしなかった漫画・アニメなのに、
注目を集めることがわかると、
すぐさま利用しようとする。

だが、すべてが成功しているわけではない。
それは当然のことである。

どんな漫画なのかも知らず、人気があるというだけで、
“手を出している”程度なのだから。

関わる人間が本物のファンではないので、
やることがすべて中途半端。

本質をわからずに利用するだけでは、
ファンに見破られてしまう。

ヲタクはディテールにこだわる。
適当なことをすると、怒りを買う。

ゆえに、作品を知り尽くした上でしか、
成功は望めないのである。


漫画・アニメは、まちづくりに限らず、
経済の起爆剤とも成り得る。

最近流行った「けいおん!」という漫画を例に取れば、
音楽を始める中高生が増加し、楽器が多く売れた。

登場する各キャラクターが使用している、
ギター、キーボード、ドラムと
同じモデルに注目が集まった。

実に単純な人種だ、と言えばそれまでだが、
流行りものには影響を受けやすい。

特に漫画・アニメの影響力は絶大である。


それは、日本にとどまらず、全世界に広がっている。

ヲタクの祭典「コミックマーケット」には、
ドラゴンボール、ナルト、ワンピースなど、
数々の漫画キャラのコスプレをした人が出現している。

しかも、外国人も多い。

海外で行われる同様のイベントでも、
日本のキャラクターの人気が高い。

この動きを知った日本政府までもが、
漫画・アニメを輸出しようと言い出す始末。

確かに、日本が世界に誇れる産業かもしれないが、
政府が乗り出すべきことではない。

それくらい大きな潮流であることは間違いないが……。


漫画を原作にした映画・ドラマも増えている。

アニメ専用映画館を
シャッター通り商店街に作る話も出ている。

漫画・アニメを活用することは、注目を集め、
ヒットする確率も高い。

しかし、非常に安易である。

先に書いたように、“利用”するだけでは、
本物にはなれない。

はたして、この動きはどこまで続くのか?





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posted by 佐藤きよあき at 14:46| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月03日

モノづくりテーマ「スポーツ」は定着するのか?


スポーツが流行っている。

一般人の趣味としてはもちろんだが、
それに合わせたマーケティングテーマとしての
「スポーツ」である。

その中のひとつがマラソン。

ウェア・シューズ・栄養補助食品なども
売り上げを伸ばしている。

それだけではない。

皇居周辺には、会社帰りのランナーが利用する、
シャワー設備のあるロッカールームまで、できている。
銭湯も満員。


山ガールは、新しいファションを生み出し、
中高年の登山客を相手にしていた山のお店は、
若い女性で賑わっている。


ストリートダンスの教室には小学生が群がり、
ウェアはもちろん、ヘアスタイル・メイクまで、
凝りに凝っている。


なぜ、ここまでスポーツが流行るのか。

私は思う。
いまの日本の危機的状況に関係しているのではないかと。

経済が落ち込むと、仕事・収入が減り、
自由に遣えるお金が無くなる。

バブル期のように、
湯水の如く快楽に注ぎ込むことができない。

すると、生活のために節約志向が定着してくる。

将来への不安も生まれ、
世の中が暗くなりがちで、楽しくない。

そんな時、社会は明るい話題を求める。

それが、オリンピックやワールドカップだ。

日本人が世界で頑張っている姿を見て、
“勇気をもらう”と、自分を慰めている。

そして、
自分もやってみたいと考えるようになるのである。

しかし、野球・サッカー・フィギュアスケートなどは、
大人になってからでは、容易に始めることはできない。

そこで、自分にできるスポーツを探す。

それが、マラソン・登山・ダンス・自転車などである。

だが、節約志向の生活であるがゆえ、一度は躊躇する。

そこで今度は、お金を遣う理由を考える。
つまり、自分への言い訳。
納得させなければいけないのである。

「普段節約しているし、このままでは息が詰まる。
 楽しみを持つことも大切だ」と、
スポーツを始めるための準備に掛かる。

ここに眼をつけたのが、スポーツ関連メーカーである。

スポーツの楽しさをこれでもかとアピールする。

テレビの情報番組や雑誌などでも特集が組まれ、
この不況下でもメーカーは活気づいている。

スポーツ関連だけではない。

ある和菓子メーカーが、
「スポーツようかん」なるものを発売した。

スポーツ時に必要なエネルギー・塩分を
手軽に補給できるように開発した羊羹である。

一瞬戸惑う感はあるが、よく考えられた商品である。

栄養分を凝縮したシリアルバーなどを嫌がる人もいるし、
サプリメントでは味気ない。

羊羹の甘さは、疲れた身体が欲するもの。
和菓子の方が好きな人も多い。

面白い試みである。
少なくとも注目度は高い。


このように、
「スポーツ」に関連づけた商品・サービスは、
これからも伸びていくマーケットだと推察できる。

ただ、日本人は流行に踊らされやすい。
そして、飽きやすい。

成長期・成熟期を読み間違えると、
大きな失敗となる可能性も高い。




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posted by 佐藤きよあき at 15:56| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする