2019年07月10日

消費者がショッピングモールを卒業する時。


日本全国、どこへ行っても
巨大ショッピングモールができている。

ファッション、雑貨、家電、ゲームセンター、
飲食店、カルチャースクール、病院……。

♪そこに行けば どんな夢も かなうというよ〜♪

若干古いが、ゴダイゴの「ガンダーラ」を
思い起こしてしまう、魅惑の施設。
それが、ショッピングモール。

昔、子どもたちが遊んでいた児童公園のように、
1日中いても飽きない場所である。

来る日も来る日も次々と遊びを変えて、
ハシャギまわることができる。

だが、時の経つのは早いもの。
子どもたちは、突然、公園に足を踏み入れなくなる。

別の場所、別の遊びに興味が移ってしまう。
それが子どもであり、公園の運命でもある。

公園から子どもたちが卒業する瞬間である。

ショッピングモールにも同じことが言えるのではないか。

確かに面白く、楽しく、
1カ所ですべてが完結してしまう場所は便利でもある。

だが、それも最初のうちだけ。
私も何度か利用したが、5、6回で飽きてしまった。

客に飽きられないように、
定期的なテナントの入れ替えはしているが、
同じような店ばかりが出店しているように感じてしまう。

敷居の高いショッピングモールに出店できる店は、
ある程度のレベル以上の店に
限られてしまうからではないか。

無名な店の可能性を見出すのではなく、
売り上げが見込める店ばかりを出店させるから、
新鮮味も面白味もない場所になってしまうのである。

最初は物珍しさで出掛けるが、ひと通り見てしまうと、
もう行かなくなってしまう。

公園のように、
世代が変わって利用され続けるのなら良いが、
地域に住む人たちの世代が変わるスピードは遅く、
ショッピングモールが衰退するスピードの方が早い。

いまはブームのように人びとが集まり、
賑わっているが、驚く早さで廃れてしまう予感はある。

それを見越して、店を入れ替えるだけではなく、
体験型施設の充実で、
新たな客を呼び込もうとするショッピングモールもある。

体験型は、
生活圏を越えて遠くから客を呼べるメリットがあるので、
テーマパークとして長く存続する可能性はある。

だが、それも“飽き”との戦いとなるのではないか。

全国にあった遊園地が次々と閉園し、
限られたテーマパークだけに
人びとが集中しているように、
客を飽きさせないショッピングモールだけが、
生き残れるのではないか。

しかも、ショッピングモールは全国に広がっているので、
遠くの客を呼び込むことには限界もある。

実に中途半端な存在ではないか。

テーマパークとしては規模が小さく、
日常の買い物をするには大き過ぎる。

いまはひとつのレジャーとして利用されてはいるが、
何れは百貨店のごとく、
食品売り場だけに人が集まる場所となってしまう。

遊ぶ場所なのか、買い物をする場所なのか。
明確なイメージづけをすることが、
長く生きていく手立てとなるのではないか。

“何でもアリ”は、“何にもナシ”と同義である。

“あそこに行けば、コレがある”というものが、
ショッピングモールにはない。

定まったイメージがないから、
人びとはすぐに飽きてしまうのである。

飽きないものとは、狭く深く掘り下げたもの。

「専門店街」ではなく、
「○○専門店」を探し歩くことこそ、
楽しい買い物なのである。




人気ブログランキングに参加しています。
1クリックをお願いします。


にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへ
にほんブログ村


マーケティング・経営ランキング



posted by 佐藤きよあき at 15:14| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月30日

農業技術が進歩するほど、庶民は美味しい野菜・果物が食べられなくなる!?


いま、農業を取り巻く環境は厳しい。

後継者不足による高齢化。
廃業する農家も多く、耕作放棄地も増え続けている。
さらに、TPP問題。

だが、明るいニュースも入ってくる。
企業参入の緩和や農業技術の進歩である。

企業が農業を始めることで、
耕作放棄地が減り、地方に雇用も生まれる。

これにより、地域の活性化が期待できるようになる。

また、農業技術の進歩は、
キツい作業の多い農業を楽にしてくれ、
若い層の就農を後押しする。

田畑を耕し、種を蒔き、水をやり、
雑草を除去し、収穫する。

これらのすべてを機械でできるようになっている。

腰を曲げた姿勢での作業や、
重いものを手で運ぶことが少なくなりつつある。

技術の進歩はそれだけではない。

水のやり方、温度調整、肥料の与え方などは、
熟練の技術と長年の勘が頼りだったが、
いまやコンピュータやセンサの活用により、
経験の浅い人間でも、
それなりにできるようになっている。

極端なことを言えば、
コンピュータの指示に従えば良いのである。

最近では、土が乾いたことを
スマホで知らせるアプリまで開発されているので、
絶えず見まわる必要もなくなっている。

こうしたシステムを活用すれば、
美味しい野菜・果物が作りやすくなるのである。

いまは、作物の良し悪しも、
センサで判別できるようになっている。

特に糖度が価格を左右する果物は、
光センサを使うことで、
個体ごとに仕分けることができる。

従来なら、
切った果物の汁を糖度計で計測していたが、
これではサンプルの糖度しかわからない。

同じ木に成った果物すべてが同じ糖度ではないので、
不確実な仕分けとなっていた。

センサで確実に甘いことのわかった果物は、
当然高いランクとされ、取り引き価格も高くなる。

さらに、「低温貯蔵」の技術も確立されている。

これは、糖度・栄養の低い作物でも、
低温で貯蔵することで熟成され、
美味しくなる方法である。

ここまでできるようになると、
作物づくりで失敗することは少なくなる。

すなわち、農家の収入アップに繋がるのである。

このように、農業技術が進歩すれば、
農業はキツい仕事ではなくなり、
若い層も増え、収入も安定するようになる。

高く売れることがわかれば、やりがいも生まれる。

良いことだらけではないか。

……が、ここで疑問が。

美味しい野菜・果物が確実に判別できるようになる。
それはイコール、高付加価値商品の誕生である。

これを逆に捉えれば、
野菜・果物が高くなるのではないか、
という不安が出てくる。

いまの野菜・果物は、安く売られていても、
中には美味しいものに当たることがある。

それが、これまでの農業技術の限界だったから。

だが、美味しい野菜・果物が
確実に選別されてしまうと、安く売られるものは、
あまり美味しくないものとなってしまう。

つまり、庶民が買うことのできるものは、
美味しいとは言えないものになるのではないか。

あるいは、TPPで安く入ってくる、
安全面に不安の残る海外産となる。

農業の発展は喜ぶべきことだが、
庶民の食生活は淋しいものとなりはしないのか。

これは、考え過ぎだろうか。





人気ブログランキングに参加しています。
1クリックをお願いします。


にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへ
にほんブログ村


マーケティング・経営ランキング



posted by 佐藤きよあき at 09:06| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月19日

趣味を楽しむ人がいるから、経済がまわる。


「コンプリートビジネス」という分野が盛況である。

アイドルのグッズやキャラクターのフィギュアなど、
好きな世界のものを集める、
いわゆるコレクターをターゲットにした、
商品販売戦略のことである。

コレクターは、突如出現したわけではなく、
昔から存在していた。

骨董品や映画ポスター、切手、コイン……。
さまざまなコレクターがいる。

ものが溢れる時代となって、興味の幅が広がり、
コレクションが多彩になってきたのである。

金を掛けずに、河原の石を集める人がいるかと思えば、
財力にものを言わせ、世界の名車を集める人もいる。

金の有無に関わらず、
人は集めることが好きな生き物のようである。

特に男性には、この傾向がある。
女性より男性の方が、
ものに執着する性質が強いのだろう。

「コンプリートビジネス」は、
この性質を狙った、巧みな販売戦略である。

集めたくなるような魅力を持った商品を一度に販売せず、
次から次へと登場させる。

すると、
「次はどんなものだろう?」と、ワクワク感を持つ。

コレクターには、たまらない快感ではないのか。

集めている間は、しばらくこの快感が続くのだから、
楽しくないわけがない。

ひと通り出し終えても、カタチを変えれば、
コレクターはまた手を出してしまう。

すなわち、
永遠に続けることも可能なビジネスなのである。

だが、倫理的にどうなのだろうかと
疑問を持つ人もいるだろう。

煽って買わせる、
いわゆる「煽り商法」と同じではないのか、と。

私は巧みな戦略と書いているが、
裏を返せば「汚い商売」と言えなくもない。

ただ、煽り商法には法的な被害者がいる場合があるが、
コレクターはまったく自分の意志で買っている。
被害者にはならないのである。

金を注ぎ込んで後悔する人もいるかもしれないが、
ほとんどの人が「満足感」を得ている。

そこには、何の問題もない。
むしろ、楽しさを売っている商売ではないのか。

自分が好きで集めることを、
他人が批判しても仕方がない。

その楽しさは、本人にしかわからないものである。

不況でものを買わない時代。

趣味の世界でどんどん金を使うことは、
いまの日本経済には必要なのである。





人気ブログランキングに参加しています。
1クリックをお願いします。


にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへ
にほんブログ村


マーケティング・経営ランキング



posted by 佐藤きよあき at 16:18| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月30日

なぜ、人びとはゲーセン『ミカド』に集まって来るのか?


東京・高田馬場にある、
伝説のゲームセンター『ミカド』をご存知だろうか?

1980〜90年代に流行ったビデオゲームを
中心に並べている、雰囲気もレトロ感満載の店である。

家庭用ゲーム機、ネットゲーム、
スマホゲームの台頭により、
減少し続けるビデオゲームの店でありながら、
いまだ客の絶えることがないのはなぜだろう。

平日は500人、休日は1000人を超えるという、
2階建ての店舗には、30年以上前の古いゲーム機が
所狭しと並べられ、現役で稼働している。

昔、ゲームに夢中になっていた人たちなら、
懐かしさで涙もののゲームばかりである。

「雷電」「グラディウス」「コラムス」
「ストリートファイターU」「バーチャファイター」
「サムライスピリッツ」「ヴァンパイア」「アウトラン」
「R–TYPE」「ワンダーボーイモンスター」
「熱血硬派くにおくん」「ダブルドラゴン」など。

この店が注目されたキッカケは、常連のプレーヤーが
国際的なeスポーツ大会で優勝したことにある。

“修行”している店として、
海外にも知られるようになった。

また、この店では、
ゲームの大会や実演などをネットで配信している。

店内にネット配信ブースがあり、店長・店員あるいは、
イベント運営者が実況中継しているのである。

これを観た外国人ゲーマーが店を訪れるようになり、
大会にも参戦するようになった。

このことがさらに話題となり、
テレビでも紹介されるようになったのである。

客層としては30代以上が多く、
会社帰りにひとりで立ち寄る人が多い。

懐かしいゲームを1〜2時間、
静かに楽しんで帰る人もいれば、
店で知り合った人と対戦する人もいる。

ゲームの音はすれど、
若者が騒いでいた昔のゲーセンとは少し違っている。

ここに集まる人は、ゲームファンでありながら、
いまどきのゲームには熱中できない。

ストーリーにしても、操作性にしても、
複雑過ぎて純粋に楽しめないのである。

人は、“最先端”ばかりを求めているのではない。

刺激的な“最先端”は、時に楽しく、面白い。

だが、次から次に出現するものに、
人は疲れてしまうことがある。

そんな時、ホッと落ち着ける“何か”を
探したくなるものである。

心の隙間をゲームで埋めてきた人にとって、
いまどきのゲームは癒しとはならない。

80〜90年代の単純なゲームが、心地よいのである。

それが、ゲームセンター『ミカド』である。

古きを捨て去るばかりでは、
人びとは安らぐことができない。





人気ブログランキングに参加しています。
1クリックをお願いします。


にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへ
にほんブログ村



posted by 佐藤きよあき at 09:41| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月03日

居酒屋が狙うべきは、“女性”!?


居酒屋の利用客が減っています。

職場の同僚による“飲みニケーション”はもとより、
若い人たちの飲酒自体が激減しているのです。

飲むとしても、ファストフード店などを利用する、
“ちょい飲み”です。

いま、居酒屋は大きな岐路に立っているのです。

さまざまな工夫で集客に取り組んでいますが、その中に、
ターゲットそのものを見直したお店があります。

世の中の流れを見ればわかりますが、
いまお金を遣うのは女性です。

積極的に情報収集し、いろんなお店に出没します。

そんな感度良好な女性を狙ったのが、
野菜ソムリエが経営する居酒屋です。

お酒や料理、そのすべてを女性向けに考えているのです。

私が見た、そのお店のメニューは、
『お洒落』『可愛い』『ヘルシー』
『野菜』『インスタ映え』といった
キーワードから生まれているようです。

たとえば、「厳選旬野菜盛り合わせ」
「雑穀キヌア米の鯛出汁茶漬け」
「トマトとアボカドのミルフィーユグラタン」
「新ごぼうガトーショコラ」
「フルーツトマトの白ワインジュレ」など。

お酒も、アボカド、パプリカ、トマト、
カボチャなどを使った、「ベジフルカクテル」。

ノンアルコールの
「ベジフルドリンク」も用意しています。

女性ウケするメニューを出すお店は増えていますが、
このお店は徹底して“女性だけ”を狙っています。

中途半端なことをしていては、
客層も中途半端になります。

おじさんたちの居場所はなくなり、
女性たちの居心地も良くありません。

狙うべきターゲットをしっかりと見極め、
そのターゲットの志向に合った戦略を
徹底することが重要です。





人気ブログランキングに参加しています。
1クリックをお願いします。


にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへ
にほんブログ村



posted by 佐藤きよあき at 08:30| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする