2019年09月14日

○○○のことなら、負けない。


ロサンゼルス・ダウンタウン。

ここに、見た目には何の変哲もない
小さなスーパーがある。

だが、別名「ソーダ博物館」として、
多くのファンを持っている。

全米各地から、
昔ながらの製法で作られたソーダを集めている。

棚一面に、ソーダ、ソーダ、ソーダ……。
その品揃えは、480種類。

昔ながらの瓶詰めソーダは、
砂糖と天然材料で作られるので、
まぜものの多い大量生産のものより、
格段に美味しいという。

昔を懐かしむ人や珍しいものを探す人たちで賑わい、
まとめ買いする人もたくさんいる。

ここの店主、いまでは、その知識の豊富さを知られ、
メーカーからの相談も受けるそうである。

この店は、“ソーダ”で
近隣のスーパーとの差別化に成功している。

“○○○の店”というイメージづくりが、
この店はできているのである。

客に明確に伝わる「個性」がある。
「ソーダの店」なのである。

だからといって、
客がソーダだけを買いに来るのかというと、
そうではない。

同じような買い物をするなら、
“ソーダのある、あの店に行こう!”
となるのである。

「ついでにソーダも買おう」という人もいれば、
「ソーダのついでに買い物も」という人もいる。

ソーダがあることで、他の物も売れるのである。

ここで、あなたの店のことを振り返ってみて欲しい。

“○○○の店”になっているだろうか?

「これなら、誰にも負けない」
というほどの自信を持っているものがあるだろうか?

少なくとも、商圏としている地域では一番だ、
と言えるものが欲しいところである。

「地域一番店になれ」とよく言われるが、
たったひとつでいいから、
自慢できるものを作り出せ、ということである。

あれもこれも、
という田舎の雑貨屋さん手法は、もう通用しない。

エモーショナルもダイレクト・レスポンスも、
充実した商品・サービスがあってこそ、
生きてくるのである。

中身のない店が、
いくらキャッチフレーズをうまく作っても、
すぐにバレてしまう。

セールスレターがうまくてもダメ。
中身がなければ、詐欺みたいなものである。

自慢するからには、
それなりのバックボーンが必要なのである。

自慢できる店。
それが、“○○○の店”ということである。

“うちのパン・ド・カンパーニュはどこよりウマい”
というパン屋。

“チャーシューは絶対負けない”というラーメン屋。

“産直ギフトなら、どこよりも揃っている”
というギフトショップ。

“婦人雑誌の種類はすごい”という本屋。

たったひとつでいい。
自慢できるものを作って欲しい。

“あの店は、○○○が良い”
と言われるようにならなければならない。

自慢のものができると、「自信」になる。

自信があれば、キャッチフレーズも
セールスレターも自然に書けるようになる。

客に言いたいこと、伝えたいことが、
次から次へと出てくるからである。

店に自信が持てるように、
“○○○の店”となることを第一に考えて欲しい。




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posted by 佐藤きよあき at 09:00| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月04日

小さな米穀店の成功戦略。


今回は、ある米穀店の事例から、繁盛戦略を探ってみる。

積極的かつきめ細かな販促策で、
売り上げを飛躍的に向上させている。

おぜき米穀店(仮称)は、
三代目店主を含む家族3人で切り盛りしている。

取扱商品は、米95%、灯油5%。
お米の販売先は、一般家庭30%、飲食店40%、
スーパー30%となっている。

店の立地は悪く、店舗も古く、駐車場もない。
経営状態も年々下降線。

そこへ、大手スーパーの進出が決まった。

その大手スーパーに、米の取り扱いを営業するものの、
大手ゆえにすでに決まったルートがあり、
入り込めなかった。

悪いことに、これまで納入していた
中規模スーパーの閉店も決まり、
米販売の20%がなくなろうとしている。

それだけではない。
当然、大手スーパーへの客の流出も考えられる。

店主は、慌てた。

これまで特別な販促策を講じることもなく、
昔からの商売を続けてきただけだったのである。

このままでは、
近い将来、お手上げになることは眼に見えている。

そこで、重い腰を上げ、積極的に動き出した。

まずは、各種交流会や勉強会に出かけることから始めた。

さまざまな業種の経営者やコンサルタントと出逢い、
経営的なモノの見方、客の集め方、
売り方などを勉強していく。

この姿勢が大切である。

焦るあまり、すぐに効果の上がるような方法を
探してしまうものだが、
そんな手立ては、簡単には見つからない。

日頃から、情報を収集して、
勉強をしている人であって初めて、
“ひらめく”ものがある。

まずは、切羽詰まった状態まで
放って置かないことが第一だが。

幸い、おぜき米穀店の店主は、
最悪の状態になる前に動き出したことで、
多少なりとも明るい光が見えてきたのである。

そして、次の手立てとして、
これまでの経営方法を見直し、
新しい米穀店の姿を探った。

出てきた策は、『個人客重視への戦略転換』。

これからの食の分野は、
こだわりを持つ人が増えるので、
「米のことを教えてくれる米屋」に人は集まる、
と考えた。

そこで店主は、米へのこだわりを
アピールする方法やイベントなどを企画し、
「ファン(顧客)」を創っていったのである。

その策とは……

●客の注文によって、その場で精米する量り売り。
●少量でも、配達すること。
●米の返品・返金の制度。
●客向け新聞の発行。
●パッケージのデザイン変更。
●料理教室の開催。
●チラシによる、米情報の提供。
●有機農法の田植えツアー。
●地域の若手米穀店主との勉強会。
●産地とのタイアップによる、オリジナル米づくり。
●料理に合わせて選べる、多種類の米の用意。

このように、客の立場に立った販促策を実施することで、
どんどん客が増え、
売り上げも急上昇していったのである。

客は、大手スーパーには、“そこそこ”しか求めない。

個人経営の店が、きめ細かな策を講じれば、
客は必ずやって来る。

日本人の米に対するこだわりは、非常に強いものがある。
そこを考えれば、スーパーに勝てる。

大手スーパーでは、
これほど細かな対応は取れないのだから。

この米穀店が講じた策は、
他の業種でも実践できることである。

それほど大きな投資をしなくてもできることばかり。

そのままマネしろ、と言っているのではない。

ただ、手遅れになる前に動き出して欲しいだけである。




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posted by 佐藤きよあき at 08:59| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月26日

それらしい店の造り。


先日、あるラーメン屋に入った。
長浜ラーメンのチェーン店のようである。

私は、とんこつ味にそれほど執着がないので、
他に店がないし、まあ、いいか、で入ったのである。
味もあまり期待していなかった。

ところが、スープを口に入れて、驚くこととなる。

かなり濃厚な味わいなのだが、
とんこつ独特の臭みがまったくなく、
まったりとした深いコクがある。

どうして、いままでこの店に来なかったのか、
と後悔したほどである。

さて、ここからが本題。

どうして、私がいままでこの店に入らなかったのか?

“とんこつ”だということももちろんあるが、
「店の外観」で、なんとなく判断していたのである。

建物は、ベージュの土壁。
屋根には、茅葺きのような演出。
ところどころ竹をあしらっている。

メニューを一品ずつ、
演芸場のような大きな看板に記入し、壁に掛けている。
この看板が無ければ、アジアン風のカフェのようである。

そう、ラーメン屋に見えないのである。

看板でわかるのだが、「お洒落」を演出しすぎて、
“いかにもチェーン店”であることが
わかってしまうのである。

個人がここまではやらないし、金が掛かるのでできない。

私は、何度もこの前を通っていたが、
興味を持てなかった。
“ラーメン屋らしくない”からである。

身近で流行っているラーメン屋を思い浮かべて欲しい。
お洒落な店が浮かぶだろうか。

中には例外もあるだろうが、
そのほとんどは特に特徴も無い、
普通の造りのはずである。

“汚ったねぇ〜”と思える店もあったりする。
でも、流行っている。

それは、“ラーメン屋らしさ”ということで、
世の中に認知されているからである。

どこからどう見てもラーメン屋。
こういう店の方が、入りやすいのである。

“らしさ”の中で、差別化を図る必要がある。

ブティックのような魚屋があったって、誰も入らない。
カフェのようなそば屋。日本建築のケーキ屋。
どう考えても、無理がある。

このラーメン屋は、内装もカフェ風である。
美味しいのに、実にもったいない。

場所も幹線沿いで、まわりに商業施設が集まり、
駐車場も広く、入りやすい優れた立地である。

お昼時に入ったのだが、ほぼ満席だった。

だが、味の良さから考えると、
多少の行列ができていてもおかしくない店である。

なのに、行列が無いのは、店の造りの問題だと言える。

ジワジワと客は増えるかもしれないが、
顧客拡大のスピードが鈍いのは、大きな損失である。

あなたの店は“らしい”だろうか?

   




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posted by 佐藤きよあき at 10:26| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月16日

生き残る、80点の店。


先日、なにげなく入った「とんかつ屋」が、
“なかなか良かった”ので、紹介しよう。

店舗の造りは、完全和風。綺麗な白木の太い梁や壁。
明るい照明。広い通路。店員の声も明るく響く。

「おすすめランチ・1180円」を注文した。

店内・テーブル・メニューを観察していくと、
なかなか凝った演出をしている。

■「七つのこだわり」というコンセプト。

この店は「七つのこだわり」
というコンセプトでアピールしている。

肉のこと、米のこと、キャベツなどの野菜、
お茶、みそ汁、パン粉、たれ。

それぞれのこだわりを1つずつ筆文字と絵で表現し、
70〜80センチ角の額装にして、壁にかけている。

これは、客の誰もが読んでしまうだろう。
メニューにも書かれている。

■とんかつの下に網を敷く。

大皿にキャベツの千切りを盛り、
とんかつを置いているのだが、
とんかつの下には、半月型の金網が敷かれている。

とんかつの油を落とすためである。

油がしっかり切れていないと、
サクサク感がなくなり、ベトッとしてしまう。

下に落ちた油がキャベツに流れてしまわないか、
と考える方もいるだろうが、
キャベツに油が混ざったところで、
ドレッシングをかけるので、わからなくなる。

■ごはん・キャベツ・しじみ汁おかわり自由。

この3つのおかわりが自由である。

ごはんのおかわりはよくあるが、
みそ汁やキャベツはあまりない。

キャベツは、気候に左右され、
価格変動が激しい場合があるので、
経営面から見ると、おかわりは難しいところである。

そこをあえてやっているのが、
この店のうまいところだと思う。

もともと、皿に盛っているキャベツは量が多いので、
それほどおかわりをする客はいない。
した人がいても、それほど損失はない。

それよりも、客全員に「キャベツのおかわり自由」
だというサービスをアピールできていることに感心する。

実際にはおかわりしなくても、
サービスを受けているうれしさが残る。

そして、一番のポイントは、
「しじみ汁」のおかわりである。

単なるみそ汁では、客は喜ばない。
貝類の価格が高いことを客は知っている。

それをおかわりできるのだから、満足ポイントは高い。

■「漬物」と「なます」のサービス。

1グループにつき、「漬物」と「なます」が
1皿ずつサービスとして出される。

「こちらは、サービスとなっております」
と店員が言いながら、出している。

サービスとして2品も出されると、客は喜ぶ。

「気が利いているねぇ」となる。
これがまた、美味しい。

■たれに使うごまは、客が擦る。

これは、飲食店がよく使う手だが、
「客に何かをさせる」手法である。

この店では、たれと合わせるごまを客に擦ってもらう。

たれの器兼すり鉢で、
自然木そのままのすりこぎで、ごまを擦る。

客は、こういうことを喜んでやる。
これから食べるという楽しさを盛り上げるのである。

いっしょに来た人と
“これくらい擦るのかなぁ”などと、会話が広がる。

■キャベツのドレッシングは、2種類。

普通は、前もってかけてくるか、
1種類を置いているだけだが、
この店では、「和風ごま」と「青じそ」の
2種類を置いている。

一方が好みでなければ、もう一方を使えば良い。
半分ずつかけることもできる。

ここにも、食べる楽しさの演出がある。

■変わったお茶を使っている。

「えびす茶」というお茶が出される。

エビスグサという植物の仲間を使ったものらしいのだが、
香ばしく、少し苦味があり、
それでいて強い主張はなく、なかなかイケる。

クセがありすぎると、客はイヤがる。

ここでは、見たことも聞いたこともない
初めてのお茶を飲む、という体験がある。

■生パン粉を使っていることを見せる。

客から見えるところに、
たくさんの大きな食パンが積まれている。

和風の店で食パンがあると、一瞬「えっ!」となるが、
コンセプトを読めば納得する。

こだわりの証明なのである。
普通なら、見えないところに置いてしまうのだが。


どうだろう? なかなか演出のウマい店である。

店内の雰囲気をはじめ、とんかつそのものも、
たれの味も、しじみ汁も、キャベツとドレッシング、
漬物、なます、お茶、どれもがよく考えられており、
満足できる美味しさだった。
これで、880円は安い。

では、どうして「なかなか良かった」なのか。
「80点の店」なのか。

●店頭から、店内がよく見えない。
スモークガラスで、よほど近づかなければ、
店内の様子をつかめないので、客としては不安になる。

●ショーウィンドウが、ファミレスのようで、
安っぽく感じる。
サンプルは悪くないのだが、
プライスカードのデザインや見せ方の問題だろう。

●「おすすめランチ」という言葉が、
店の雰囲気と合っていない。
「お昼のおすすめかつ膳」などとする方が、
和の雰囲気を高める。

●店員が少ない。その時だけだったのかもしれないが、
店員が少ないと、おかわりする際に、
大きな声で呼ばなければいけない。

●メニュー表が、ファミレスそのもの。
ラミネート加工したものである。
もう少し高級感、和風が欲しいところである。

●塩を置いていない。
擦ったごまとたれで食べることが、
店のこだわりかもしれないが、揚げ物には塩が不可欠。
素材の味が一番よくわかるからである。

●これは私の好みかもしれないが、肉がやわらか過ぎる。
美味しいのだが、少しもの足りなさを感じる。
歯応えのある方が、とんかつを食べている実感がある。
そういう人は、多いと思うが。


このような問題点があるので、私は80点とした。

だが、問題を差し引いても、それ以上の満足感がある
ということを書きたかったのである。

つまり、充分に繁盛店として、
やっていける店だということ。

“なかなか良い”でも“80点”でもいい。

客が満足する仕掛けがあれば、そこそこ繁盛する。

あとは、80点で満足せず、
100点、200点をめざすことである。

これは、飲食店に限ったことではない。

どんな店でも、
客を楽しませる仕掛けづくりが大切なのである。

   




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posted by 佐藤きよあき at 11:20| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月07日

「美味しくなければ、お代はいりません」と言えるのなら、お通しを出せば良い。


居酒屋の“席料”とも言える、お通し。

アンケートによれば、
約7割の人が価格が高いと思い、
約5割の人が味に不満を持っているという。

頼んでもいないものが勝手に出てきて、
しかも価格がわからない。

時代にまったく合わない、古い商習慣である。

多くの客が納得していないのだから、
即、廃止すべきである。

習慣にあぐらをかいて、適当な料理で
利益を上げようとする店が多いのも事実である。
だから、不評なのである。

中には、真面目な店主・料理人が
腕をアピールするために、
どの料理よりもお通しに力を入れている店もある。

そんな店なら、客も喜んで金を払うだろう。
お通しを楽しみにやって来る客もいる。

何れにしても、“習慣”としての
お通しはやめるべきなのである。

注文していないものに金を払わされるのは、
理不尽である。

いらなければ断ることもできるが、
「そんな無粋なことはできない」「ケチだと思われる」
など、言いにくいという現実がある。

言わば、客に精神的な負担を掛けているのである。

くつろぐ場所である居酒屋で、
客に気を遣わせてはいけない。

どうしても味をアピールしたいと思うのなら、
お通しを無料にすれば良い。

「これはサービスです」と言って出せば、
“小粋な店だ”と評価も高くなる。

気に入ってもらえれば、
お通しの経費など、すぐに回収できる。

自信のある料理で、
客の心をつかむことが大切なのではないか。

決して習慣として出すのではなく、
味わって欲しい料理のお試しとして出すのである。

本当に自信があるのなら、有料でも構わない。

ただし、「美味しくなければ、お代はいりません」
と言えるほどの自信があれば、の話である。

居酒屋は、客が気兼ねなく酒を楽しむ場所である。

客に気を遣わせたり、
客の納得できないことをしてはならない。

   




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