2015年07月28日

愛知・西三河発、全国区へ。摩訶不思議なご当地食品「キリンラーメン」とは?


愛知県碧南市を中心とした西三河地方でのみ
販売されていた袋入りインスタントラーメン。
それが、「キリンラーメン」である。

初めて見る人は、
「いつの時代のものだ?」「いまも売っているの?」
と、驚いてしまうほどのレトロ感漂うパッケージ。

古くさい色使い。古くさいロゴ。古くさいデザイン。

いまでも売っていることが不思議なほどである。

愛知県碧南市にある製粉会社が、
昭和40年に発売を開始。

地元、西三河地方では絶大なる人気を誇ったものの、
次々に現れる大手メーカーに押され、
平成7年には生産中止となる。

だが、昔から親しんできた地元ファンからの
熱い要望がじわじわと沸き起こり、
7年後の平成14年に復活することとなる。

大手メーカーの“新しい味”に惑わされていたファンが、
慣れ親しんだ味に回帰したのだろう。

子どもの頃から食べていた味には愛着があり、
時代が移り変わろうとも、捨て去ることはできない。

「キリンラーメン」は、そのパッケージと同じで、
味も昭和な感じがする。
素朴で、どこか懐かしい。

「キリンラーメン」は復活に際し、
待ち望んでくれた地元に恩返しするために、
原材料の大半を地元産に切り替えた。

同時に、他の材料もすべて国内産に変え、
安全・安心をアピールした。

その結果、売り上げが伸び始め、
西三河から飛び出すこととなる。

地道な営業活動やマスコミに取り上げられたことから、
少しずつ全国に出荷できるようになっていった。

レトロ回帰や昭和ブームに、
ピタリとはまる商品だったのである。

これをキッカケに、次々と新商品を開発し、
そのユニークさもあって、
さらに注目を集めるようになる。

「キリンラーメン」を筆頭に、「ペンギンラーメン」
「カピバララーメン」「イルカラーメン」などが続く。

ハッキリ言って、妙なネーミングである。
ラーメンとはまったく関係がない。

なぜ、こんな名前をつけるのか。

「キリンラーメン」の由来を調べてみた。

キリンの首が長いことから、
“末永く”愛されたいという願い。

子どもから年配の方まで
幅広い層に親しまれているキリンのように、
“親しみやすい”商品でありたいという思い。

この2つで、名前が決まったようである。

だが、「ペンギン」や「カピバラ」はどうなのか。

これらは、水族館や動物園とのコラボ商品だという。

最近はコラボ商品が多いが、
名前が「ペンギン」「カピバラ」というのは、
おかしくはないだろうか。

コラボをしている相手をわからせる名前が妥当なのでは。

パッケージデザインに、
「ペンギン」「カピバラ」を使うのは理解できるが、
なぜ動物の名前がそのまま商品名になるのか。

摩訶不思議である。

他にも、「アザラシ」「カレイ」
「チンアナゴ」「ふぐ」が存在する。

動物以外には、「Dragonsプロ野球ラーメン」
「Carpプロ野球ラーメン」「黄金鯱伝説グランスピアー」
「すう姫の大好きラーメン」「スーボ親子ラーメン」
「えのたん」「とりめし」「べっぴん」などがある。

正直なところ、意味不明である。

“何でもかんでも”と言っては失礼だが、
一本筋は通っていない。

だが、注目度は抜群である。

人気急上昇の理由は、
やはりレトロ感と昭和なイメージである。

私も売り場で見掛けた時は、
「なんじゃ、こりゃ!」と笑ってしまった。

発売当時のままのパッケージに惹かれたのである。

面白い。ユニーク。
いまの時代には、かえってお洒落なのである。

買わずにはおれないデザインである。

食べてみると、私の好みではなかったが、
通販サイトのレビューを見ると、評価は分かれている。

「素朴で懐かしい」「あっさりしていて、美味しい」
という声があるかと思うと、
「マズい」「味が薄くて、特徴がない」
「二度と買わない」という声もある。

ここまで評価の分かれるラーメンも珍しい。

マーケティング的には、万人に好かれるより、
コアなファンのいる方が、
長く生き残ることができるのだが。

愛知・西三河で愛され、そしていま全国へ。

ユニークなご当地グルメが、
全国の人に知られるのは良いことだが、
手を広げ過ぎて、失敗しないことを願うばかりである。

面白くて楽しいラーメンなので、
一度試してみる価値はあるだろう。






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posted by 佐藤きよあき at 17:25| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月20日

“庶民のうなぎ市場”は成長するのか?


「土用丑の日」。

うなぎの稚魚の減少によって、
さらに高級品となってしまったうなぎではあるが、
この日だけは食べたいと思う人は多く、
うなぎ専門店をはじめ、
百貨店やスーパーは書き入れ時となる。

だが、あまりにも高騰したうなぎを
諦める人も少なくない。

そこに登場した、牛丼店の「うな重」「うな丼」。

吉野家の「うな重」は750円。
すき家の「うな丼」は780円。

諦めていた庶民に、夢を与えるがごとくの低価格である。

さすが吉野家。さすがすき家である。

だが、安いことに疑問を持つ人もいるだろう。

「どうせ薄っぺらで、小さいだろう」
「脂もなくて、固いはず」

価格からすれば、そう考えるのも当然である。

専門店のうな重なら、安くても3000円はする。
うなぎの大きさに違いはあるとしても、
数百円で食べられるのだから、期待はできない。

そんな疑問の回答を得るには、食べてみる以外にはない。
そこで、すき家に行ってみた。

うな丼780円。
出てきたうなぎは、3分の1尾ほどの大きさ。

価格とのバランスを考えれば、特に不満はない。

安くうなぎを食べたいと願う人には、
充分な大きさである。

ひと口食べて、私は驚いた。

ふっくらとやわらか。
脂ものって、充分にうなぎの旨味を感じる。

もし、同じものを専門店で出されたとしても、
“旨い旨い”と納得してしまうだろう。

スーパーにて1尾1000円程度で売られているうなぎとは、
比べものにならない。

なぜ、こんな価格で提供できるのか。

企業努力と言ってしまえばそれまでだが、
実に素晴らしいことだと思う。

“庶民のうなぎ市場”を開拓したと言っても良いだろう。

そして、次々に“庶民のうなぎ”を
提供する店も登場している。

まだあまり知られてはいないが、
ファストフードのうなぎ専門店も存在している。

「名代 宇奈とと」。

東京・大阪に15店舗ほどを展開するチェーン店である。

“庶民のうなぎ”としては、
牛丼店より先に参入している。

備長炭で焼く「うな丼」が500円で食べられる。

「うな重」「ひつまぶし」も800円。
「うざく400円」や「うまき500円」「肝串250円」など、
専門店ならではのメニューも揃っている。

かなり激安な店なので、若干経営面で不安はあるが、
庶民の味方にはぜひ頑張って欲しい。

他にも、「やよい軒」や「ガスト」で、
“庶民のうなぎ”は提供されている。

安くうなぎが食べられる。しかも美味しいとなれば、
消費者は飛びつくかもしれない。

だが、“庶民のうなぎ市場”は、まだまだ導入期。
今後、成長するかどうかは未知数である。

安くて美味しいのなら、広がるだろう。
そう思うのは早計である。

うなぎに対する、消費者の思い入れを考えてみて欲しい。

「土用丑の日」という特別な日。
暑い夏を乗り切るためのちょっとした贅沢。

そう考える消費者なら、
“高級なうなぎ”と“庶民のうなぎ”の
どちらを選択するだろう。

「高級なもの=価値の高いもの」と捉えやすい消費者は、
高級専門店に足を運ぶのではないか。

いつでも食べられる安いうなぎを
有り難いと感じる人はいない。

滅多に食べられないから、
美味しさもひとしおなのである。

それが、“うなぎの存在感”なのではないか。

そう考えると、この先“庶民のうなぎ”が
定着するかどうかはわからない。

すき家・やよい軒・ガストは期間限定だが、
吉野家・宇奈ととは定番メニューである。

定番化したうなぎを
消費者が食べたいと思うかどうかである。

美味しいからといって、
一年中食べたいと思うとは限らない。






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posted by 佐藤きよあき at 16:55| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月14日

謎のコンビニ「ナイトショップ・いしづち」の魅力とは?


「ナイトショップ・いしづち」は、
愛媛県発祥のチェーン店で、西日本各地に点在している。

各店で調理する手づくり弁当と
大きなおにぎりが“売り”である。

食品や日用品、雑誌なども売っているので、
“コンビニ”に分類されているが、
実は「コンビニ業態」が確立する以前から
営業しているので、“コンビニ”とは謳っていない。

その代わり、「ナイトショップ」という名がついている。

その名からも想像できるように、
深夜営業をメインにしている。

現在のコンビニのように、
“夜も開いている”“24時間営業で便利”
という意味のナイトショップではない。

若い男性がそっと訪れ、
欲求を解消するための道具を買いに来る店である。

そう、エロ本やエロビデオである。

昼間は普通のコンビニなのだが、夜は少し趣きを変える。

夜の「いしづち」を解説してみよう。

人通りの少ない深夜の街の片隅に、
静かに明かりを灯す店がある。

店の奥には、エロ本やエロビデオが並ぶ棚。

静かに訪れた男性客がしばし棚を眺め、
好みの商品を選ぶ。

決めた商品を手に持ったまま、足早に歩きながら、
菓子やカップラーメン、おにぎりなどをサッと手にして、
レジへ。

「○○円になります」と言われ、無言で金を差し出し、
また足早に店を出る。

これが、深夜の「いしづち」で繰り返される光景である。

だが、この光景に違和感を憶える人もいるだろう。

「いまどき、そんな店があるのか?」。

そう思うのは当然である。

街はずれの国道沿いにある、男たちのワンダーランド。
エロ本・エロビデオばかりを売る店。

今はほぼ絶滅したが、
20年前、いや10年前までは確かに存在していた。

「ナイトショップ・いしづち」は、
そんな店を兼ねているのである。

「兼ねていた」ではなく、「兼ねている」。

昼間は普通のコンビニ、
夜は“エロの館”として健在なのである。

だが、ネット時代には不要な存在。
わざわざ店に出向いて、
恥ずかしい思いで買う必要もない。

「いしづち」も時代の流れには逆らえず、
次々に閉店に追い込まれていった。

ところが、数店舗だけだが生き延びている。

チェーン店本部も廃業したので、看板をそのまま、
独自経営で営業を続けているのである。

本来なら、別のフランチャイズと契約したり、
看板をつけ替えて個人で営業するのだが、
「いしづち」たちはそうしなかった。

看板への愛着なのか、仲間意識なのかはわからない。

さすがに、エロ本・エロビデオは売れないので、
弁当とおにぎりをメインにした
“コンビニ”として営業している。

私は何店舗かを見ているが、
正直なところ「よくこれで潰れないなぁ」と思う。

大手コンビニに慣れた眼で見ると、
名前もふくろうのマークも、店の雰囲気も、
すべてが垢抜けない。

店内も煩雑で、田舎の何でも屋を思わせる。

メイン商品である弁当やおにぎりも、
昔の“おかん”が作るようなものである。

旨そうではあるが、お洒落という言葉とは無縁である。

棚に並んでいる日用品なども、
いつから置かれているのかと思うほど。
品数も少ない。

エロ本・エロビデオも売れ残りなのだろうが、
いまだに棚に並んでいる。

こうなると、ダサいとか古くさいという感情はなく、
哀愁を感じてしまう。そして、どこか懐かしい。

タイムスリップしたかのような、不思議な感覚になる。

「いしづち」は、住宅街にある。

もし近所にあれば、ふらっと立ち寄ってしまうだろう。

ひとり暮らしなら、弁当と飲み物を買いに行くだろう。

普段は大手コンビニを利用していても、
週に何回かは「いしづち」へ行ってしまう。

そんな存在なのではないか。

本当に「いまどき?」な店である。

ぜひ、一度見て欲しい。
消滅する前に、体験して欲しい店である。






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posted by 佐藤きよあき at 16:03| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする