2015年11月14日

徳島・伊座利地区は、なぜ移住者推進に成功したのか?


徳島県の端、人口100人ほどの小さな漁村。
それが、美波町伊座利地区である。

人口100人のうち、
約6割が全国各地からの移住者だという。

どのようにして、人口を倍増させることに成功したのか。

過疎化・高齢化は、どこにでもある問題。
だが、ほとんどの地域で、
決め手となる対策を見出せないでいる。

伊座利地区でも全国のそれと同じく、人口減少により、
小中学校の児童が激減し、廃校の危機を迎えていた。

子どもは地域の宝。未来の夢。
子どもなくして、地域は栄えない。

そう実感した住民たちは、意を決して立ち上がった。

合い言葉は、「学校の灯を消すな!」。

そのために必要なのは、
若い世代の夫婦・子どもを持つ家族に
移住してもらうこと。

だが、いきなりの完全移住は難しいので、
親子一緒の漁村留学生の受け入れを検討した。

まずは、行政に陳情・要望するが、
良い返事をもらえなかった。

行政が動いてくれないとなると、
この手の話は頓挫するものだが、住民は諦めなかった。

自分たちで何とかするしかないと、
地域の子どもからお年寄りまで、全住民で構成する
「伊座利の未来を考える推進協議会」を結成した。

最初に取り組んだのは、
まずは伊座利を知ってもらうこと。

現役の海女さんが、新鮮な魚料理を食べさせる
「イザリCafe」のオープン。

この地区は、定置網漁をはじめ、海女さんが獲る、
あわびや伊勢エビが豊富である。

これらは、充分に人を呼び込む資源となり得る。

これまでは獲るだけだったが、地元で食べさせることで、
それが地域の魅力となる。

観光に来て、見てもらうことが第一。
そのための拠点となるのが、「イザリCafe」である。

次に考えたのは、この“地域を体験”してもらうこと。

「一日漁村留学体験」「海女の仕事体験」。

“体験”はどこの土地でもやっているが、
イベント的扱いに過ぎない。

だが伊座利では、単なる遊びではなく、
移住を前提にしたものを実施している。

そして、
移住を考える際の大問題となる「仕事」に関して。

生計が立てられなければ、移住はできない。

そこで、移住者を漁師や海女として雇い入れている。
「イザリCafe」でも同様。

基本的には、「すべて自己責任で生活できる方」という
移住条件を出してはいるが、地元住民が親身になって、
相談にのってくれる。

人の繋がりを大切にしている地域なので、
安心して移住できるのではないか。

これらのすべてを住民たちで行っている。

行政の手を借りられなかったことが、
かえって住民の“本気”を引き出したのではないか。

「学校の灯を消すな!」という強い思いが、
移住を考える人びとの心に響いたのではないか。

特に目新しいことをやっているわけではない。
真剣に取り組んだことが、成功に繋がったのである。

   




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posted by 佐藤きよあき at 15:03| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする