2015年07月20日

“庶民のうなぎ市場”は成長するのか?


「土用丑の日」。

うなぎの稚魚の減少によって、
さらに高級品となってしまったうなぎではあるが、
この日だけは食べたいと思う人は多く、
うなぎ専門店をはじめ、
百貨店やスーパーは書き入れ時となる。

だが、あまりにも高騰したうなぎを
諦める人も少なくない。

そこに登場した、牛丼店の「うな重」「うな丼」。

吉野家の「うな重」は750円。
すき家の「うな丼」は780円。

諦めていた庶民に、夢を与えるがごとくの低価格である。

さすが吉野家。さすがすき家である。

だが、安いことに疑問を持つ人もいるだろう。

「どうせ薄っぺらで、小さいだろう」
「脂もなくて、固いはず」

価格からすれば、そう考えるのも当然である。

専門店のうな重なら、安くても3000円はする。
うなぎの大きさに違いはあるとしても、
数百円で食べられるのだから、期待はできない。

そんな疑問の回答を得るには、食べてみる以外にはない。
そこで、すき家に行ってみた。

うな丼780円。
出てきたうなぎは、3分の1尾ほどの大きさ。

価格とのバランスを考えれば、特に不満はない。

安くうなぎを食べたいと願う人には、
充分な大きさである。

ひと口食べて、私は驚いた。

ふっくらとやわらか。
脂ものって、充分にうなぎの旨味を感じる。

もし、同じものを専門店で出されたとしても、
“旨い旨い”と納得してしまうだろう。

スーパーにて1尾1000円程度で売られているうなぎとは、
比べものにならない。

なぜ、こんな価格で提供できるのか。

企業努力と言ってしまえばそれまでだが、
実に素晴らしいことだと思う。

“庶民のうなぎ市場”を開拓したと言っても良いだろう。

そして、次々に“庶民のうなぎ”を
提供する店も登場している。

まだあまり知られてはいないが、
ファストフードのうなぎ専門店も存在している。

「名代 宇奈とと」。

東京・大阪に15店舗ほどを展開するチェーン店である。

“庶民のうなぎ”としては、
牛丼店より先に参入している。

備長炭で焼く「うな丼」が500円で食べられる。

「うな重」「ひつまぶし」も800円。
「うざく400円」や「うまき500円」「肝串250円」など、
専門店ならではのメニューも揃っている。

かなり激安な店なので、若干経営面で不安はあるが、
庶民の味方にはぜひ頑張って欲しい。

他にも、「やよい軒」や「ガスト」で、
“庶民のうなぎ”は提供されている。

安くうなぎが食べられる。しかも美味しいとなれば、
消費者は飛びつくかもしれない。

だが、“庶民のうなぎ市場”は、まだまだ導入期。
今後、成長するかどうかは未知数である。

安くて美味しいのなら、広がるだろう。
そう思うのは早計である。

うなぎに対する、消費者の思い入れを考えてみて欲しい。

「土用丑の日」という特別な日。
暑い夏を乗り切るためのちょっとした贅沢。

そう考える消費者なら、
“高級なうなぎ”と“庶民のうなぎ”の
どちらを選択するだろう。

「高級なもの=価値の高いもの」と捉えやすい消費者は、
高級専門店に足を運ぶのではないか。

いつでも食べられる安いうなぎを
有り難いと感じる人はいない。

滅多に食べられないから、
美味しさもひとしおなのである。

それが、“うなぎの存在感”なのではないか。

そう考えると、この先“庶民のうなぎ”が
定着するかどうかはわからない。

すき家・やよい軒・ガストは期間限定だが、
吉野家・宇奈ととは定番メニューである。

定番化したうなぎを
消費者が食べたいと思うかどうかである。

美味しいからといって、
一年中食べたいと思うとは限らない。






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posted by 佐藤きよあき at 16:55| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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