2016年05月17日

なぜ、吉野家は「アタマの大盛」をメニューに加えたのか?


永遠に続くがごとく、熾烈な戦いを続けている牛丼業界。

トップを走る「すき家」に対し、
先駆者「吉野家」も負けてはいない。

メニューが多く、
ランチ需要や家族連れを取り込んだ「すき家」は強い。

だが、「吉野家」には“マニア”がついている。

「牛丼=吉野家」で、
他店では絶対に食べないという人も多い。

“マニア”が「吉野家」の強みなのだが、
その絶対数は業界トップに返り咲くほどではない。

マニア以外をもっと取り込む必要がある。

そこで、女性ウケを狙った野菜メニューを開発したり、
290円の朝食メニューを用意したり。

最近では、豚丼も復活させた。

これにより、業績は回復傾向にある。

だが私は、「吉野家」のメニューを見ていて、
まったく別の業績回復策を見つけた。

牛丼の「アタマの大盛」が、追加されていたのである。

「アタマの大盛」とは、ご飯の量は“並”と同じで、
肉が“大盛り”と同じになっている。

このメニューは、本来、裏技・裏メニューであり、
マニアがよく注文するものである。

この裏技を知っている人でも、マニアでなければ、
注文しづらいメニューである。

マニアと見られることへの抵抗感や恥ずかしさがある。

それがメニューに加わったということは、
マニアではない潜在需要を見抜いたのかもしれない。

興味はあるが注文できなかった、
マニア寄りの客を取り込もうとしたのではないか。

メニューに載っていれば注文しやすく、客単価もあがる。

……と、私は読んでいるのだが、「吉野家」がすべてを
計算づくでやっているのかどうかはわからない。

だが、ここに
業績回復の大きなヒントがあるのではないか。

裏技・裏メニューを少しずつ表に出すのである。

牛丼のご飯を少なめにした「軽いの」。
つゆの量を調節した
「つゆだく」「つゆだくだく」「つゆぬき」。
ねぎの量を変える「ねぎだく」「ねぎぬき」。
赤身が多めの肉を使う「赤多め」や
脂のない肉にする「とろぬき」。

これらの中から、需要が見込めそうなものを
“小出し“にするのである。

すべてを出してはならない。
マニアの領域を荒らしては、マニアが離れてしまう。

ごく普通の客が馴染みやすいものだけを出すのである。

マニアには憧れるが、マニアにはなれない客層は多い。

そんな客層を呼び込めば、
他店とは異質な独自の販売戦略となり、
大きな差別化が図れるのではないか。

   




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posted by 佐藤きよあき at 14:10| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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