2018年06月04日

地鶏居酒屋「塚田農場」が消滅危機!?


宮崎の地鶏を安く提供することで知られる
居酒屋「塚田農場」。

地鶏ブームを巻き起こしたとも言われ、
全国に約170店舗を構える。

流行っている印象を受けるが、
数十ヵ月連続の売り上げ減で、
いま苦戦を強いられている。

だが、業績回復を目指すべきこの苦しい状況下で、
コンプライアンス(法令遵守)違反を犯してしまった。

メニュー表には「地鶏一筋」と記載していながら、
「チキン南蛮」など4商品に、
タイ産ブロイラーを使っていた。

肉質の良い方を選んだだけと言い訳をしているが、
業績悪化の現状を考えると、疑ってしまう。

「景品表示法違反」として、消費者庁からは
再発防止の措置命令が出されただけで終わっているが、
客のイメージは急降下している。

コンプライアンスは、
企業の成長とブランドイメージを支える礎とも言われ、
徹底して守ることが安定的な経営に繋がるのである。

コンプライアンス違反は、
企業全体、社員にまで影響を及ぼす。

特に社員は信じるものを失い、
商品や接客のレベルをも低下させてしまう。

結果、客離れにも繋がる。

この店を運営する会社では、今回の件以前に、
業績を回復させる手を打ち始めていた。

今治タオルを立て直し、
セブンカフェをヒットさせた実績を持つ、
クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏に
プロデュースを依頼した、
「焼鳥つかだ」をオープンさせている。

話題性もあり、注目されているが、
今回の件がどう影響するのか。

店名に「つかだ」を使っているが、
そこから「塚田農場」を連想する客は少ないだろう。

店に、「塚田農場」という表記がない限りは、
影響は出ないと考える。

「塚田農場」と同じ運営会社であることが
わからなければ、「焼鳥つかだ」は生き残る。

客は、運営会社のことまでは気にしていないし、
わからない。

お洒落な焼鳥屋だと認識するだけ。

だが、「塚田農場」はどうか。

“客を裏切った”というイメージは、
まず消えることはない。

しかも、外国産ブロイラーでは、
どれだけ肉質が良くても、客は納得しない。

これまで、客を裏切った企業がどうなってきたか。

潰れてしまうか、再起したとしても長い年月が掛かる。

ここは、「焼鳥つかだ」に注力し、
「塚田農場」を切り捨てるしか方法はない。

逆に言えば、「塚田農場」の名前を消し去れば、
同じ業態であっても、客は気づかずに利用してくれる。

消費者をバカにするわけではないが、
意外と細かなことは気にしていないものである。






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posted by 佐藤きよあき at 14:54| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月16日

とある下町食堂は、なぜ大盛り定食を430円で提供するのか?


大阪・京橋に、知る人ぞ知る食堂がある。
とにかく安くて、ボリュームがあることで有名。

“不思議な”という形容がピッタリくるほど、
安く提供されている。

ある日の日替わり定食を紹介すると…。

「エビフライ・チキンカツ・ビーフコロッケ・
 玉子フライ・サラダ・ご飯・味噌汁」。

これで、430円。

ひとつひとつがミニサイズというわけではなく、
ごく普通のサイズである。

別の日の日替わりは、
「まぐろ+はまち+あじの造り・チキンカツ・
 サラダ・ご飯・味噌汁」。

これも430円。

あり得ない。
どんな食材を使っているのかを疑ってしまうほど安い。

他にも、「うどん・そば 120円」
「カレーライス 230円」「カツ丼・天丼 330円」
「エビフライ定食 380円」「トンカツ定食 380円」
……など。

なぜ、ここまで安くできるのか。
というより、なぜ安くしているのか。

その答えは、この店の経営理念にある。

というほど、難しいことではない。

創業した先代の想いを守り続けているだけなのである。

戦争を経験し、苦労した先代が、
「物のない時代だからこそ、
 みんなにお腹いっぱい食べさせて、
 喜んでもらいたい」と、この店を始めたのである。

みんなが大変な時だから、
少しでも役に立ちたいと願ったのである。

「人を喜ばせる」という商売人の原点を実践した人。
その想いをいまも受け継いでいるのである。

有名になったことで、
わざわざ遠くからやって来る人も多い。

だが、その評価は低い。
「美味しくない」「それなり」。

確かに、安くてボリュームのある料理を作ろうとすると、
食材のレベルは多少落ちるかもしれない。

安い食材を選んで仕入れなければ、
安く提供することはできない。

この店は、そこを割り切っている。
客も納得の上で利用している。

失礼ながら、この地域は超下町と言っても良い。
“リッチな食事”を望めない人は多い。

だが、美味しいものは食べたい。
なので、この店が流行るのである。

これは私の考えだが、
「ボリュームは美味しさ」だと思っている。

味そのものはそれなりだとしても、
ボリュームがあって、腹いっぱいになれば、
「美味しかった!」と思えるのである。

不況が続く中では、こんな店が必要なのである。
救世主となる。

こうした考えに共感した人が、暖簾分けをしてもらい、
いまや数店舗の支店ができている。

利益を考えず、人助けのためにやっている食堂。

もっともっと増えて欲しいと思う。






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posted by 佐藤きよあき at 10:55| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月14日

なぜ、キッコーマンは“変な豆乳”を出し続けるのか?


日本中に蔓延する健康志向。

それはもはやブームではなく、
日常生活の常識となりつつある。

言い換えれば、身体に良いものを求めるが故に、
次々に流れてくる情報に翻弄されている。

悪いことではないが、
企業に踊らされていることに気づくべきである。

新聞・テレビ・ネットには、
毎日毎日広告が流されている。

身体的な不安につけ込み、煽り商法を展開している。

悩んでいる人は、つい乗ってしまう。
騙されてしまう。

藁をも掴む気持ちで、申し込んでしまう。

「病いは気から」というように、
それを利用することで治ってしまう人もいるので、
完全否定することはできない。

健康関連の商品が売れることで、
日本経済に貢献している面もある。

物欲の薄れたいま、
人びとは「食」や「健康」にお金を遣う傾向にある。

そうした分野では、競争も激しくなっている。

ライバルに打ち勝つには、注目度を高める必要がある。

そのためには、次々に新商品を出したり、
話題づくりに力を入れなければならない。

ここに、興味深い事例がある。

キッコーマンが「豆乳」を販売しているのだが、
一風変わった豆乳が次々に登場している。

「いちごラッシー」「チョコミント」「マロン」
「焼きいも」「バニラアイス」「巨峰」「甘酒」
「おしるこ」「みたらし団子」……。

フルーツ味を出すのは、
これまでの常識として理解できるが、
「焼きいも」や「みたらし団子」には驚いてしまう。

他の豆乳メーカーでは、
ほとんど見掛けない商品ばかりである。

なぜキッコーマンは、
こうした“変な豆乳”を出し続けているのか。

オーソドックスな豆乳だけでは、競争に勝てないのか。

その答えは、消費者の志向に関係している。

健康志向で、豆乳は売り上げを伸ばしている。

牛乳をあまり飲まない子どもに、
豆乳を与える親も増えている。

こうした流れの中、スーパーでは品揃えを増やすために、
地方の無名メーカーの商品まで
仕入れるようになっている。

つまり、キッコーマンにとっては、
全国的なシェアを持っていても、
気の抜けない状況にあるということだ。

そこで、消費者の興味を引き、
常に目立った存在であることが重要となる。

いま、食に関しては、
ネットで情報が拡散されるかどうかに、
成功のカギがある。

商品が売れるようになるには、
消費者が注目し、手を出し、
SNSに掲載してくれる“話題性”が必要なのである。

消費者は常に新しい情報を求めて、巷を徘徊している。
新しいものを見つけると、すぐに飛びつく。

キッコーマンはここに着目。

ライバルの多い豆乳の分野において、
次々に新商品を出し続けることで、
日常的に注目されるように仕掛けているのである。

こうした戦略を取る商品は、美味しいかどうかよりも、
面白いかどうかの方が重要となる。

次々に出てきては消えるので、
「何だ、これは?」で笑いが起これば、
それで成功なのである。

たとえマズくても、それさえ話題になるのが、
ネット世界の面白いところ。

とにかく話題性第一なのである。

他の分野の商品でも、このような戦略は増えている。

消費者がそれを求めているので、批判はできない。

面白いから、買ってしまう。
これもマーケティング戦略のひとつである。






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posted by 佐藤きよあき at 14:56| Comment(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする