2017年03月04日

“おひとりさま”大歓迎の宿は繁盛する!?


誰にも邪魔されず、ひとりの時間を大切にしたい。
日常生活を離れ、読書をしたり、うたた寝をしたり、
ボーッとしていたい。

そんな思いから、ひとり旅をする人が増えている。

その流れを受けて、旅行雑誌や旅行サイトでも、
ひとり旅を特集している。

旅館・ホテルでも、ひとり旅専用プランを設け、
売り上げを伸ばしている。

少し前までは、
ひとり客をあからさまに拒否する旅館も多かった。

2人以上の客と同じような手間が掛かるのに、
儲けはひとり分だからである。

私も独身時代はふらっと旅に出て、
行き当たりばったりで宿を探していたが、
よく断られていた。

「予約していないんですが、空いてますか?」と問うと、
「何名さまですか?」と聞き返され、
「ひとりです」と言うと、
「あいにくですが、満室なんです」と断られる。

あまりにも白々しい返答である。

元々、観光地の旅館にはひとり部屋などないので、
人数を聞いてから満室だと言うことは、
あり得ないのである。

ひとり客は客ではない、という認識である。

先に「少し前までは」と書いたが、
いまだにこんな旅館は多くあるようだ。

「おもてなし」という心はなく、
儲け第一主義である。

だが、これからは、”おひとりさま”を大切にしないと、
宿の経営は立ち行かなくなるだろう。

団体旅行の時代ではなく、
ひとり旅か家族旅行が中心となっている。

家族旅行は増えているものの、
不況からは脱出できていないので、
できる限り安い費用で楽しもうとする。

そうなると、国内より海外の方が安い上、
まわりへの自慢にもなるので、海外旅行を選択する。

ひとり旅では、海外は不安もあるので、
気軽で安心な国内となる。

また、ひとりなら、
行き先も日時も自分の思い通りになり、
思い立ってすぐに出ることもできる。

さらに、結婚しない人が増えているので、
ひとり旅が多くなるのは、当然のことなのかもしれない。

宿が積極的に“おひとりさま”を
取り込もうとしているのにも理由がある。

家族連れやグループに比べ、
リピーターになりやすいのである。

恋人や夫婦の客の場合、同じ空間にいても、
空間の想い出はあまり残らず、
「2人で過ごした時間」が想い出として残る。

2人で旅をして、2人で楽しいひとときを過ごした。

グループの場合、みんなで楽しい会話をして、
賑やかに過ごした時間の想い出である。

極端に言えば、場所はどこでも良いのである。

2人やグループで楽しい時間を過ごしたら、
また楽しむために
「次はどこに行こう?」となるのである。

だが、ひとりの場合、
“その宿にいる自分”が、想い出のすべて。

空間も時間も、心の中に明確に刻み込まれている。

そこで、心からのおもてなしを受ければ、
その印象は強烈に残り、
「また来たい!」と思うようになる。

つまり、リピーターになりやすいのである。

費用もひとり分なので、
家族連れやグループより決断しやすい。

今後ますます、ひとり旅は増えるだろう。

“おひとりさま”を断っている宿は、
手遅れにならないように……。





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posted by 佐藤きよあき at 16:31| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月13日

「かっぱ寿司」が再出発! なのに、客が来ないのはなぜ?


新生「かっぱ寿司」を視察した。

古くさいキャラクターは消え、ロゴも一新。
店の雰囲気もお洒落になり、
以前のようなチープさは感じさせない。

何より変わったのは、味である。

「平日90円」を大々的にPRしていた頃は、
加速度的にネタが悪くなり、
「安かろう マズかろう」が、世間の評判となっていた。

だが、新しい「かっぱ寿司」は、普通に旨い。
明らかに美味しくなっている。

これなら、日常的に利用しても良いと思う。

ある意味、「かっぱ寿司」は復活したと言っても良い。

しかしながら、業績は上向きとはなっていない。

2016年4〜12月期の連結最終損益は、
55億7000万円の赤字となっている。

「安くて美味しいお店」としては復活したが、
事業としては危機的な状況のままである。

安くて美味しいのに、なぜ客が来ないのか。

ひと言で言えば、「安かろう マズかろう」の
イメージが払拭できていない、ということ。

同社が実施したアンケート調査でも、
他店に比べて「安っぽい」「ダサい」「古い」という
イメージを持っているユーザーが多い
という結果が出ている。

そこで「かっぱ寿司」は、新たな戦略を打ち出した。

定番ネタの他に、
「旬ネタ」と創作メニューである「特ネタ」を
月ごとに提供するというもの。

「美味しいネタ」+「話のネタ」
を作ろうという狙いである。

テレビコマーシャルでも流していたが、
「特ネタ」の第1弾は「全国お祭り寿司」。

日本の祭りを寿司で表現している。

「さっぽろ雪まつり寿司(税別380円)」
「青森ねぶた寿司(税別280円)」
「仙台七夕まつり寿司(税別280円)」など。

見ためにインパクトがあり、ボリュームも充分。
話題づくりを狙っていた。

だが、その結果は……。

100円回転寿司において、ボリュームは不要である。

安くて量が少ないからこそ、
さまざまなネタが楽しめるのであって、
1皿で腹が満たされては、他のネタが食べられない。

また、1皿が300〜400円超えでは、客は手を出さない。

「安くて美味しい」が、
100円回転寿司に本来求められるものであって、
「美味しいけど高い」はいらないのである。

目指すべき方向が間違っている。

他にも、スマホによる座席予約や
持ち帰りのネット予約も導入しているが、
「安かろう マズかろう」のイメージを
払拭できていない現時点では、何の意味もない。

なぜ、イメージの刷新ができないのかを
考え直すべきである。

私の考察では、
店名に大きな問題があるのではないかと思う。

店もネタも変えたのに客が来ない、ということは、
「あのかっぱ寿司だろ」と、
客が固定観念を持っているからである。

いまさら何をやっても、
「かっぱ寿司」であることに変わりはない、
と思っているのである。

加えて、「かっぱ」という言葉の古さにも原因がある。

「スシロー」「はま寿司」「くら寿司」より、
はるかに古くさい響きである。

“いまどき感”を背負っている。

この店名のままでは、本当の復活は望めない。

もう、店名を変えるしかないのではないか。

まったく違う店名で、新興勢力のような顔をして、
再デビューした方が良いのではないか。

「新しくなりました」ではなく、
「新しいお店です」とアピールした方が、
新しもの好きの、
いまの消費者は注目してくれるのではないか。

経済界では、“「脱かっぱ」空回り”などと囁かれるが、
「かっぱ寿司」の名前がある限り、
「脱かっぱ」は成し得ない。





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posted by 佐藤きよあき at 16:28| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月20日

ブーム再燃。全国で「朝ラー」が始まっている!


「朝ラー」。
数年前ブームになりかけた、「朝ラーメン」のこと。

静岡県藤枝市・焼津市や福島県喜多方市などで見られる、
朝からラーメンを食べる習慣が起源とされる。

だが、当時はブームというほどの
盛り上がりはを見せなかった。

「朝からラーメンなんて」と、敬遠された感があった。

朝から食べるには重く、健康的な朝のイメージとは
程遠い存在だったのかもしれない。

では、なぜ静岡と福島で習慣化していたのか。

静岡では、漁業関係や茶業の人たちが、
朝食も摂らずに早朝から仕事をする。

ひと段落したところで朝食を摂るのだが、
労働の後なので、普通の朝食では物足りない。

そこで、店に「ラーメンが食べたい」と要望したという。

福島では、喜多方市に三交代制の工場があり、
その夜勤明けの工員のために始めた、という説がある。

また、早朝の農作業を終えた人のために、
という説もある。

何れの場合も、労働する人たちの要望に応えるカタチで
生まれた習慣なのではないか。

この習慣を9時5時のサラリーマンが多い地域で
広めようとしても、必要性が見出せない。

ブームにならなかったのは、
そのあたりに原因があるのだろう。

だが、再びブームが訪れようとしている。

それはなぜか?

サラリーマンがラーメンを食べるのは、
昼食か夜の飲み会後。

特に、深夜のラーメンが多かった。

だが、飲み会自体が減少し、
ラーメンを食べる機会も減った。

ラーメンは好きなのに、食べられなくなったのである。

そこに登場したのが、「朝食ブーム」である。

お洒落なカフェモーニングやスープバー、
正しい和朝食を提供する店が増えてきた。

朝食をしっかりと摂ることが見直されたのである。

朝はガッツリ食べても、日中に消化されるので、
多少カロリーの高いものでも問題はない。

つまり、ラーメンを罪悪感なく
食べることができるのである。

健康のためにも、夜より朝が良いのである。

寝る前4時間はものを食べてはいけない。
胃腸に負担が掛かり、中性脂肪が蓄えられて太ると
言われているいま、
朝ラーメンは理にかなっているのである。

朝食ブームと健康ブームが、
ラーメンを夜から朝の食べ物へと変えようとしている。

静岡・福島の他にも、青森・秋田・宮城・山形・新潟・
埼玉・東京・京都で、「朝ラー」が確認されている。

朝食の代名詞となることはないだろうが、
確実に定着するのではないか。

「朝からラーメンなんて」と言う人は、
いなくなるだろう。





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posted by 佐藤きよあき at 16:40| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月05日

「ビッグデータ」で、企業の“個性”は消え去る!?


「やよい軒」「ほっともっと」を運営する潟vレナスが、
店舗運営にビッグデータ分析を導入するという。

客の嗜好の多様化や少子高齢化など、
経営環境の変化に対応するためである。

客の求めるものを的確に把握することができれば、
メニューの改善、新商品開発、店舗の改装・移転、
従業員教育にいたるまで、
もっとも効率の良い方法を知ることができる。

すなわち、ロスの少ない店舗運営、失敗の少ない経営を
実現できるということである。

チェーン店を運営する上で、
これほど価値のある経営資源は他にあるまい。

だが、懸念材料はある。

ビッグデータの活用法。
ビッグデータの読み方と言っても良い。

ビッグデータが導き出す結論は、
消費者の大多数の嗜好であり、意見である。

もちろん、少数意見も導き出してはいるが、
読み取る側が大多数のデータに注目してしまう。

最終的には「一番売れるもの」を知りたいので、
当然、数の多い客層データを採用する。

すると、客に受け入れられるものが開発でき、
収益を安定させることができる。

だが、はたしてそれは正しいことなのか。

もし、同業種である「大戸屋」が、
ビッグデータを活用したら……。

大多数の嗜好は同じ結論となり、結果的に、
同じ店、同じメニュー、同じ新商品が生まれる。

つまり、「やよい軒」と「大戸屋」に、
差がなくなるということである。

こう言うと、「それは経営陣次第だろ」
と反論が出るだろうが、
目の前の“失敗しない経営”を無視して、
挑戦・冒険ができるだろうか。

また、ビッグデータによる成功は、
人の能力を衰えさせる。

すべてをデータに頼ってしまうので、
経験や勘といった経営能力が育たない。

データを読み解く、“技術者”でしかなくなる。

さらに、データによって成功した人間は、
それを自分の才能だと勘違いする。

そして、単なる“ビッグマウス”となってしまう。

データによるマーケティングは、
一時的には成功をもたらすが、
最終的に必要となるのは、経営感覚である。

長年積み重ねてきた経験と勘こそが、
ビジネスを大きく成長させる要素となるのである。





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posted by 佐藤きよあき at 15:13| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月19日

食べ物の味は、パッケージで変わる! 価格で変わる!


スーパーの棚に並んでいる、食料品の数々。

メーカーが全力で開発しているので、
“それなり”に美味しいものばかり。

“それなり”というのは、
価格とのバランスがあるので、仕方のないこと。

この美味しい食料品たちは、
だいたい数十円〜数百円の範囲で売られている。

消費者は、味と価格に納得して、
好みに合うものを買っていく。

納得しているので、満足感もある。


話は変わるが、
旅行に行くと土産物を買う人は多いだろう。
500〜3000円程度。

自身のためや友人・知人のために、
“それなり”のものを選ぶ。

菓子や海産物が多い。

この土産物の価格を見て、
「こんな高いものは買いたくない」
と考えたことのある人はいるだろうか。

「渡す相手による」という問題ではなく、
商品と価格のバランスのことである。

“土産物とはそういうもの”
という認識で買っているのではないか。

“相場”を疑ったことはないだろう。

予算に合わせて、その範囲のものを買うことに、
納得しているのではないか。


また話は変わるが、
中元・歳暮を贈る人は、いまだ多い。

世話になった人に“心を込めて”というのは建前で、
見栄えの良いものを贈りたいもの。

高級そうな名前やパッケージで、高級そうな包装。
価格も高級。数千〜数万円。

貰った人は、高級を感じ、高級な美味しさを楽しむ。


さて、食料品が売られている
3つのシチュエーションを書いたが、
ここからが本題である。

3つのシチュエーションで見られる、
「菓子」を想像してみて欲しい。

中にカスタードクリームや生クリームの入った、
ふわふわなスポンジケーキがあるとする。

1つめは、中の見える簡易な包装で、
スーパーに並んでいる。

2つめは、紙で個包装し、箱に整然と並び、
土産物屋に並んでいる。

3つめは、1つ1つ和紙で包装され、1つずつ箱に入り、
それが桐の箱に詰められ、組み紐まで掛かっている。

百貨店のギフトコーナーに、見本が置かれている。

それぞれ、300円、1000円、5000円で売られている。

この3つ、中身がまったく同じものだとしても、
誰が気づくだろうか。

売られている場所が違い、売り方も違っていれば、
誰も疑問を持たずに買っていくだろう。

売る場所に合った“相場”なので、納得もしている。

5000円のものを受け取った人も、
“それなり”の佇まいのものなので、
“それなり”に美味しいと感じる。

人の味覚はかなりアバウト。
雰囲気も味のうちなのである。

ここから考えられるのは、ものを売るなら、
高くても売れる“売り方”をした方が得だということ。

薄利多売は、メーカーや量販店に任せておけば良い。

中小企業・個人商店は、
“価値”を感じる“売り方”をすべきである。





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posted by 佐藤きよあき at 16:07| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする