2017年01月05日

「ビッグデータ」で、企業の“個性”は消え去る!?


「やよい軒」「ほっともっと」を運営する潟vレナスが、
店舗運営にビッグデータ分析を導入するという。

客の嗜好の多様化や少子高齢化など、
経営環境の変化に対応するためである。

客の求めるものを的確に把握することができれば、
メニューの改善、新商品開発、店舗の改装・移転、
従業員教育にいたるまで、
もっとも効率の良い方法を知ることができる。

すなわち、ロスの少ない店舗運営、失敗の少ない経営を
実現できるということである。

チェーン店を運営する上で、
これほど価値のある経営資源は他にあるまい。

だが、懸念材料はある。

ビッグデータの活用法。
ビッグデータの読み方と言っても良い。

ビッグデータが導き出す結論は、
消費者の大多数の嗜好であり、意見である。

もちろん、少数意見も導き出してはいるが、
読み取る側が大多数のデータに注目してしまう。

最終的には「一番売れるもの」を知りたいので、
当然、数の多い客層データを採用する。

すると、客に受け入れられるものが開発でき、
収益を安定させることができる。

だが、はたしてそれは正しいことなのか。

もし、同業種である「大戸屋」が、
ビッグデータを活用したら……。

大多数の嗜好は同じ結論となり、結果的に、
同じ店、同じメニュー、同じ新商品が生まれる。

つまり、「やよい軒」と「大戸屋」に、
差がなくなるということである。

こう言うと、「それは経営陣次第だろ」
と反論が出るだろうが、
目の前の“失敗しない経営”を無視して、
挑戦・冒険ができるだろうか。

また、ビッグデータによる成功は、
人の能力を衰えさせる。

すべてをデータに頼ってしまうので、
経験や勘といった経営能力が育たない。

データを読み解く、“技術者”でしかなくなる。

さらに、データによって成功した人間は、
それを自分の才能だと勘違いする。

そして、単なる“ビッグマウス”となってしまう。

データによるマーケティングは、
一時的には成功をもたらすが、
最終的に必要となるのは、経営感覚である。

長年積み重ねてきた経験と勘こそが、
ビジネスを大きく成長させる要素となるのである。





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posted by 佐藤きよあき at 15:13| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月19日

食べ物の味は、パッケージで変わる! 価格で変わる!


スーパーの棚に並んでいる、食料品の数々。

メーカーが全力で開発しているので、
“それなり”に美味しいものばかり。

“それなり”というのは、
価格とのバランスがあるので、仕方のないこと。

この美味しい食料品たちは、
だいたい数十円〜数百円の範囲で売られている。

消費者は、味と価格に納得して、
好みに合うものを買っていく。

納得しているので、満足感もある。


話は変わるが、
旅行に行くと土産物を買う人は多いだろう。
500〜3000円程度。

自身のためや友人・知人のために、
“それなり”のものを選ぶ。

菓子や海産物が多い。

この土産物の価格を見て、
「こんな高いものは買いたくない」
と考えたことのある人はいるだろうか。

「渡す相手による」という問題ではなく、
商品と価格のバランスのことである。

“土産物とはそういうもの”
という認識で買っているのではないか。

“相場”を疑ったことはないだろう。

予算に合わせて、その範囲のものを買うことに、
納得しているのではないか。


また話は変わるが、
中元・歳暮を贈る人は、いまだ多い。

世話になった人に“心を込めて”というのは建前で、
見栄えの良いものを贈りたいもの。

高級そうな名前やパッケージで、高級そうな包装。
価格も高級。数千〜数万円。

貰った人は、高級を感じ、高級な美味しさを楽しむ。


さて、食料品が売られている
3つのシチュエーションを書いたが、
ここからが本題である。

3つのシチュエーションで見られる、
「菓子」を想像してみて欲しい。

中にカスタードクリームや生クリームの入った、
ふわふわなスポンジケーキがあるとする。

1つめは、中の見える簡易な包装で、
スーパーに並んでいる。

2つめは、紙で個包装し、箱に整然と並び、
土産物屋に並んでいる。

3つめは、1つ1つ和紙で包装され、1つずつ箱に入り、
それが桐の箱に詰められ、組み紐まで掛かっている。

百貨店のギフトコーナーに、見本が置かれている。

それぞれ、300円、1000円、5000円で売られている。

この3つ、中身がまったく同じものだとしても、
誰が気づくだろうか。

売られている場所が違い、売り方も違っていれば、
誰も疑問を持たずに買っていくだろう。

売る場所に合った“相場”なので、納得もしている。

5000円のものを受け取った人も、
“それなり”の佇まいのものなので、
“それなり”に美味しいと感じる。

人の味覚はかなりアバウト。
雰囲気も味のうちなのである。

ここから考えられるのは、ものを売るなら、
高くても売れる“売り方”をした方が得だということ。

薄利多売は、メーカーや量販店に任せておけば良い。

中小企業・個人商店は、
“価値”を感じる“売り方”をすべきである。





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posted by 佐藤きよあき at 16:07| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月08日

健康志向が高まると、野菜が売れなくなる!?


健康ブームが長い。というより、定着したのか。

テレビ番組・ネットサイト・雑誌では、
健康に関する情報が、毎日溢れている。

次から次へと、“身体に良いこと”が紹介され、
これを実践すると、
1日24時間でも足りないくらいである。

特に女性は、健康情報に敏感である。

「健康=美容」という意識が働くのか、
見聞きするものは片っ端から試したくなるようだ。

中でも“意識高い系”の女性は、
「お洒落な健康」に目がない。

出掛ける前は「スムージー」を飲み、
バッグには「酵素」を入れて持ち歩く。
食事は、サラダ中心。

見事なまでに健康志向である。

そこまで意識は高くなくとも、
普通の人も健康志向は持っている。

できる限り、身体に良いことをしようとする。

だが、体操やスポーツは気合いを必要とするので、
食べるもので健康になりたいと願う。

脂の多い肉類や炭水化物を避け、
野菜中心の食事を心掛けるようになる。

意気込んで、しばらくは続けるが、
やはり挫折するのが人の常。

外食で野菜を摂ることは容易いが、
自宅で調理するのは面倒。

そこで、人びとが行き着く先は、
「サプリメント」である。

野菜の代わりとなったり、
魚の効用があるサプリメントが次々と登場している。

高い効果が証明されているものも多い。

「EPA&DHA」「青汁」「ユーグレナ」「セサミン」
「ローヤルゼリー」「酵素」……。

これらを摂っていれば、食事を気にする必要がない。
と、人びとは思い込み、野菜さえ食べなくなってしまう。

サプリメントの市場規模の推移を見ると、どれだけの人が
サプリメントに頼るようになってきたかがわかる。

手軽に“身体に良いもの”を摂取できるのは良いが、
食の偏りが激化するのではないかと危惧する。

何も気にせず、好きなものを食べる。

手間の掛かる調理はしないので、野菜を食べるのは、
調理済みのサラダか外食のみとなる。

つまり、食材としての野菜を買わなくなるのである。

調理の面倒な魚を買わなくなったことと同じである。

家で食べなくても、外で食べれば良い。
サプリメントで補えば良い、となる。

食材というのは、各家庭で使ってこそ、
大量に消費されるものであって、
スーパーや飲食店で使われるものだけでは、
たかが知れている。

外で食べて、家でも使うことが、
食材の消費へと繋がるのである。

健康志向でサプリメントを摂るようになれば、
食材、特に野菜が売れなくなってくる。

非常におかしな話だが、これは現実である。





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posted by 佐藤きよあき at 15:49| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月18日

本物のおっさんもタジタジ。“男子力”の高い「おっさん女子」が増殖中!


女性らしさが希薄で、
3つのシコウ(思考・志向・嗜好)が、
まるで「おっさん」的な若い女性のことを
「おっさん女子」と呼ぶ。

本人たちも自覚しており、「おっさん」を自称している。

その生態は、実にユニークで興味深い。

行動を見ていても、「おっさん」そのもの。

カフェより居酒屋を好み、カクテルではなく、
ビール・日本酒を選ぶ。

スイーツより珍味に目がいき、
立ち食い・立ち飲みに愛着を感じる。

見ためで言えば、着飾ることをせず、
ラフな服を着て、暑い日の首にはタオルを巻いている。

薄着の時は、ムダ毛処理の甘さが目立つ。

整理整頓が苦手で、部屋が汚い。

頭の中を覗いてみると、面倒くさがりで、
何事にも合理性を求め、スマホのメールは極端に短い。
もちろん、絵文字もなし。

思ったこと・言いたいことは、すぐに口に出す。

単純明快なので、素直な面もあり、
仲間からは好かれる。

気のいい「おっさん」なので、
飲み会では場を盛り上げる役割を果たす。

イヤなことは、飲んで忘れるタイプ。

また、面白い生態として、
女性の見方まで「おっさん」であることがあげられる。

女性をライバル視せず、
「可愛い!」「胸が大きい!」「脚がキレイ!」
などという、「おっさん目線」で見ている。

憧れの目線ではなく、
純粋に美しいものとして捉えているところが面白い。

そんな「おっさん女子」に、現代社会は生きやすい。
自然体が受け入れられる。

こうした女性が増えてくると、
世の中の商品・サービスも、
若干の軌道修正が必要となるだろう。

「おっさん」だからといって、
本物のおっさん向け商品・サービスを奨めても、
彼女たちを引きつけるのは難しいだろう。

ほんの少しだが、“乙女心”を有しているからである。

あくまで「おっさん」的なだけであって、
本物には成りきれない。

どこかで女性らしさを求めている。

「おっさん仕様」に、
ほんの少し“乙女心”をプラスすること。

それが、「おっさん女子」を射止める戦略となる。





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posted by 佐藤きよあき at 15:05| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月22日

『キャバ嬢専用手帳』に学ぶ、究極の商品企画。


キャバクラから出てきた男性の顔は明るい。
楽しい時間を過ごしたであろうことは、想像に難くない。

不況で多少の影響はあるだろうが、キャバクラが、
ITと並ぶ好況ビジネスであることは間違いない。

いま、若い女性が手っ取り早く稼ぐには、
最適な仕事なのかもしれない。

だが、キャバ嬢の戦いは熾烈である。

風俗のようなダークな部分がないため、参入者も多い。

東京だけで数万人。
全国では10万人を超えると言われる。

そんな厳しい世界で、大金を稼ぐことは容易ではない。

客の指名を勝ち取り、目標を達成し、
ナンバーワンとなるためには、
相応のテクニックが必要である。

「可愛い」「セクシー」だけでは、
一流のキャバ嬢にはなれない。

男性の志向・行動・心理を理解した上で、
自分の価値を売り込み、
客を満足させなければならない。

そのためには、客の一人ひとりを知り尽くす必要がある。

そんなキャバ嬢の
“顧客管理”をサポートする会社がある。

客のデータをこと細かく収集するための
手帳を販売している。

『稼ぐキャバ嬢ホステス手帳』。

スケジュールや売り上げ、
指名本数などの基本項目に加え、
客との会話内容や支払い方法、領収書の有無、
交際程度、希望の卓番、たばこの銘柄、よく飲む酒、
気の合うヘルプ&ボーイなどが、
書き込めるようになっている。

キャバ嬢は、客の席に行く前にこの手帳を見て、
気配りを働かせるのである。

ナンバーワンクラスになると、
客のデータは頭に入っているだろうが、
そんなキャバ嬢はひと握り。

ほとんどのキャバ嬢は、
まったくの素人からの“勉強中”なので、
こうした手帳が役立つのである。

客を質問攻めにするキャバ嬢より、
自分のことをわかってくれているキャバ嬢に、
男性は惹かれる。

相手は仕事でやっていることがわかっていても、
「もしかして俺に…?」と、男性は思いたいのである。
そして、口説こうとする。

それが、キャバクラの“遊び方”である。

「今日がダメなら、また今度」と、常連になっていく。

実に緻密な計算をされたビジネスモデルである。

さりとて、男性は騙されているとは考えない。
笑顔で店を後にする。

客は満足し、店は儲かる。

このビジネスモデルを他のビジネスにも応用すれば、
日本経済も活性化し、社会も明るくなるのではないか。

そこに目をつけた、手帳の販売会社が素晴らしい。

業界を絞り込み、
そこで働く女性だけに焦点を当てたのである。

究極の“特化”だと言えるだろう。

業界を知り尽くした会社だからこそ生まれた、
究極の商品ではないか。





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posted by 佐藤きよあき at 14:14| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする