2016年05月14日

“ほか弁屋”の「のり弁当」は、なぜ売れ続けているのか?


庶民なら一度は食べたことがあるであろう、
ほか弁屋の「のり弁当」。

ご飯の上に、
昆布の佃煮もしくは醤油和えのかつお節をのせ、
焼き海苔をかぶせた本体。

その上に、白身魚のフライと竹輪の天ぷら、
きんぴらがのり、さくら漬けか大根の甘酢漬けが
添えられている。

見ためにはチープだが、
間違いのない安定した美味しさがあり、
長年に渡って人気商品である。

「ほっかほっか亭」「ほっともっと」「かまどや」などの
チェーン店では、300〜340円程度で販売されている。

「のり弁当」が一番よく売れるという店も多い。

この安さも不況の中では人気の要因ではあるが、
それだけではない。

「すごく美味しい」「めっちゃ旨い」
という存在ではないが、
心にほのかな明かりが灯るような、温かな味がする。

特別なものは何も入っていない。

安い素材だが、もっとも美味しい調理法を選んでいる。

淡白な白身魚は、
フライにすることで脂の旨味を足している。

竹輪はそのままでは“おかず”になりにくいが、
天ぷらにすることで、練り物のコクを引き出している。

ごぼうと人参のきんぴらは、和総菜の定番。

この弁当のもっとも美味しいところは、
昆布もしくはかつお節と海苔とご飯の組み合わせである。

白ご飯に合うものの王道として、
昔から親しまれてきた味である。

安っぽいと感じる人もいるだろうが、
庶民ならどこか懐かしく、ガツガツと食べてしまうほど、
美味しいはずである。

ほか弁屋の人は言う。

「お金のない人にも、しっかりと食べてもらいたいから、
安い価格で提供している」。

これがほか弁屋の原点であるがゆえに、
いまだ安く提供しているのである。

この信条は、どこか母親に通ずるものがある。

お金もなく、決して料理上手とも言えない母親が、
子どもの成長を願い、不器用ながらも
一所懸命に作ってくれた弁当に似ている。

アルマイトの弁当箱に、ギュウギュウに詰められたご飯。

白ご飯では寂しいから、昆布や海苔をのせる。

少ないおかずを豪華に見せるために、ご飯の上に並べる。

腹を空かせた子どもには、なによりのごちそうである。

「のり弁当」には、そんな郷愁がある。

母親の愛情のようなものを感じるから、
美味しいのである。

   




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posted by 佐藤きよあき at 16:15| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月30日

通販限定の「ポテトチップス」は、なぜ売れているのか?


ネット通販でしか手に入らない
「ポテトチップス」をご存知だろうか。

菊水堂というメーカーの『できたてポテトチップ』。

自社工場から直接客に発送している。

一部店舗で販売はしているものの、基本的には通販のみ。

できたてのポテトチップスが、
早ければ次の日には届くので、
その美味しさが評判となり、
常に1ヶ月待ちの状態が続いている。

チップスは、
スライスして揚げただけという素朴な見ため。
決して、上品さはない。

パッケージもデザイン性はなく、簡素。

それでも売れるのだから、「よほど美味しいのか」
と誰もが思うだろうが、
売れている理由はそれだけではない。

通販でしか手に入らないという、希少性にある。

消費者は、珍しいものを欲しがる。
近くで売っていないとなると、なおさら欲しくなる。

ぜひ試してみたい、となるものである。

価格としては、145g×3袋×2箱がセットになって、
1800円(税込み)+送料(関東近県500円)。

一般的なポテトチップスが1袋60g程度なので、
このセットに換算すると、14.5袋分となる。

1800円と送料500円を足した金額を、
市販品の量で換算すると、1袋約159円となり、
やや高級品だと言える。

だが、通販限定という付加価値が、
それほど高いものだとは感じさせず、
1ヶ月待ちでも売れ続けているのである。

いまは通販以外には一部の店舗で売っているだけだが、
もし流通に乗せて、どこででも買えるようになると、
人気は一気に下降するかもしれない。

いつでもどこでも買えるものに、
人びとはあまり興味を示さない。

手に入らないものだから欲しくなり、
手に入れた時に感動も大きくなる。
美味しさも倍増する。

希少性があるから、高くても売れるのである。

このまま手を広げずに、地味に製造していく方が、
長く生き続けることができる。

道を見失わないで欲しい。

   




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posted by 佐藤きよあき at 08:37| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月27日

超合理的!? マクドナルドの新商品販売手法に疑問!!


業績が回復傾向にあるマクドナルド。
次々と新商品を発売し、注目度も増しつつある。

今回発売された「クラブハウスバーガー ビーフ」と
「クラブハウスバーガー チキン」も、
その見ためとボリューム感で、
ファンを喜ばせるかもしれない。

だが、その販売手法に、
低迷する企業の“裏の顔”が見え隠れする。

「新商品を買わせるための“下品な手法”」
というのは、言い過ぎだろうか。

この新商品の販売期間中、
「クォーターパウンダー・チーズ」と
「ダブルクォーターパウンダー・チーズ」の販売を
休止しているのである。

「クラブハウス(ビーフ)」と
「クォーターパウンダー」は、具材の違いはあるものの、
バーガーの方向性としては同じである。

ビーフパティに存在感のあるバーガーで、
肉好きファンとしては選択を迷う。

「クラブハウス」のビーフパティは、
通常バーガーの1.7倍のボリューム。

「クォーターパウンダー」の方は、2.5倍。

肉を重視すれば、「クォーターパウンダー」を
選んでしまう。

この選択を回避するために、
「クォーターパウンダー」を休止させたのではないか
と勘ぐってしまう。

これは、ファンを裏切る行為である。

「クォーターパウンダー」を食べたい
と思って来店した客を落胆させ、
無理やり「クラブハウス」を奨めるのである。

これは私の推測だが、確信を持つに足る“証拠”が、
店舗及びサイトに表示されている。

擬人化した「クォーターパウンダー」の言葉として、
以下のように記されている。


クォーターパウンダー
4/27(水)〜5月末 お休みします

なんでも、こんどのクラブハウスバーガーは、
具材が多くてとってもおいしい
手の込んだバーガーらしく…
「クラブハウスバーガーづくりに集中したい!」と、
相談されました。
同じアメリカ生まれ、
かわいい後輩バーガーのためなら仕方ありません。
みなさま、しばし、お別れです。
その間、何とぞ、クラブハウスバーガーを、
よろしくお願いいたします。

※クラブハウスバーガーが終了次第、順次再開


あまりにも白々しく、あざとさを感じてしまう。

またしてもファンを欺くのか。

言い訳をするにしても、
もっとマシなことが書けなかったのか。

この手の戦術は、あまり日本では使われない。

合理的なビジネスを展開する、
アメリカ的な戦術だと言える。

やはり、あの人の厳命なのか?

   




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posted by 佐藤きよあき at 16:03| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月15日

固定観念を捨てた「業務スーパー」の新商品が話題!


いま、業務スーパーのある商品が話題となっている。

面白いことと美味しいことで、
生産が追いつかない状態である。

豆腐パックに入った「リッチチーズケーキ」と
「リッチショコラケーキ」。

1リットルの牛乳パックに入った「レアチーズ」。

豆腐の製造ライン、牛乳の製造ラインを
そのまま活用した商品である。

コストにまったく無駄のない商品を
生み出しているというわけである。

牛乳パック商品は、『牛乳パックスイーツ』として、
シリーズ化されている。

他に、「水ようかん」「杏仁豆腐」「珈琲ゼリー」
「カスタードプリン」「オレンジゼリー」がある。

安くて美味しい商品なら、
客はパッケージなど気にしないということである。

豆腐パックと牛乳パックということで、
逆に面白がっている。

“カタチ”としては従来から存在していても、
使い方を変えると、
まったく別の商品として生まれ変わるのである。

非常に柔軟な発想で、大成功している。

業務スーパーのモットーは、
「牛乳屋で牛乳を作るな。豆腐屋で豆腐を作るな」。

まさに、そのモットーを具現化した商品が、
大ヒットしているのである。

スーパーは、「安くて良い品」を客に提供する場所。

“見ため”にこだわり、そこに経費を掛けるくらいなら、
その分を中身にまわす方が良い。

舌の肥えた現代の消費者は、すぐに見抜いてしまう。
中身で勝負すべき。

だが、アピールの方法を知らなければ、
勝負の前に撤退となる。

業務スーパーは、そのアピール法として、
“面白さ”を前面に打ち出した。

「豆腐パック」「牛乳パック」という“カタチ”である。

「経費を掛けずに成功させるにはどうすれば良いか?」
という発想から、
「製造ラインをそのまま使ってしまえ!」と、
英断したのである。

「そんなことはできない」と、カチカチ頭で決めつけず、
「面白いんじゃないか」と、柔軟に考えた結果である。

面白がる姿勢が、功を奏したのである。

   




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posted by 佐藤きよあき at 16:38| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月11日

“ちょい飲み”が流行ると、「新橋」で面白いインタビューが撮れなくなる!?


“ちょい飲み”が流行っている。
安いおつまみで、軽く飲んで帰ることである。

「吉野家」「日高屋」が先行し、
ごく最近では「ケンタッキーフライドチキン」
「スターバックス」が参入している。

仕事帰りのサラリーマンがターゲットだが、
会社の同僚というより、
近くにいる友人で集まることが多いようだ。

サラリーマンの仕事帰りと言えば、
居酒屋での上司や部下への大愚痴大会がメインで、
酒をがぶ飲みして、憂さ晴らしをする場所だった。

だが、“ちょい飲み”は違う。

たくさん飲むより、楽しく飲む。
憂さ晴らしではなく、楽しい時間を過ごす。

軽いコミュニケーション手段となっている。

本気飲みすることはなく、
予算も千円台で済ませることが多い。

若い世代が酒をあまり飲まなくなったことも
理由としてはある。

本当の酒好き・酒飲みは、
ほとんどいなくなってしまった。

さらに、不景気が追い打ちをかけ、
本気で酒を飲むことができなくなった。

その結果、居酒屋が窮地に立たされている。

巨大チェーン店を展開するワタミは、この2年ほどで、
百数十店舗を閉鎖するほどである。

居酒屋でも“ちょい飲み”を
提案できれば良かったのだが、
“本気飲み”のイメージが固定化されており、
気軽な利用には繋がらなかった。

その点、「吉野家」「ケンタッキー」などの
ファストフード店は、
“ちょい飲み”にピッタリな店である。

フラッと入って、サッと帰ることができる。

若い世代の志向に合ったのだろう。

だが、若干の不安は残る。
上司世代と若い世代のコミュニケーション不足である。

飲みに行くことが大切だとは言わないが、
これまでは嫌々ながらも同行することで、
相手を知ることはできていた。

それが、仕事を円滑にする手助けにもなっていた。

だが、一緒に飲まなくなったら、
どうやってコミュニケーションを取るのか。

会社内でのひと言ふた言では、
相手を知ることはできない。

いまの時代、上司による無理強いもできない。

こうなると、互いが歩み寄るしかないのではないか。

本気で飲みたい上司は、
部下との“ちょい飲み”につき合うべきである。

部下は、友人と飲みたいところだが、
上司と“ちょい飲み”する。

短い時間なので、嫌な思いもせず、
コミュニケーションの意義を感じることもできる。

これにより、本気飲みを愛する上司も徐々に酒量が減り、
身体のためにもなる。

次第に見苦しい酔っぱらいも少なくなり、
街が健全化する。

だらしないおやじの姿も見かけないようになる。

たとえば、サラリーマンの聖地「新橋」が、
静かな街となる。

だが、困る人たちも出てくる。

テレビ局の取材クルーたちである。

酔っぱらったサラリーマンは、絵になる。
面白い話が飛び出す。

サラリーマンの意見を聞くなら「新橋」なので、
他を探さなくてはならない。
というより、「新橋」以外はあり得ない。

つまり、インタビューができなくなるのである。

シラフで真面目なサラリーマンの意見など、
面白くはない。

酒の入った本音が、
テレビを観る人を納得させるのである。

酒とサラリーマンは、切り離せない。

だが、時代は“ちょい飲み”。
サラリーマン像の「変革期」が来ているのかもしれない。

   




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posted by 佐藤きよあき at 17:01| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする